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■花粉症のメカニズム:花粉症は花粉に対するアレルギー(ある特定の物質に対して過敏に反応すること)が原因で起こる疾患です。日本人の12%前後に見られるというスギ花粉症が有名です。ほかにひのきやイネ科の雑草(カモガヤなど)、キク科の雑草(ブタクサ・ヨモギなど)など約40種類が知られています。アレルゲン(アレルギーの原因)となる花粉に何年も接触していると、遺伝的に花粉症になりやすい素質を持った人では、花粉に対する抗体が作られるようになり、作られた抗体は肥満細胞と呼ばれる細胞の表面にくっつきます。そこに花粉がやってきて結合すると肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出され、このヒスタミンによって花粉症の症状(鼻水・くしゃみ・鼻づまり)が引き起こされます。花粉は目や鼻の粘膜から侵入しやすいため、目や鼻の症状が主な症状となります。
■スギ花粉症について:日本では、花粉症の患者さんは急増しています。これは、戦後の一時期に一斉に植林が行われ(現在人工林の50%強をスギとひのきが占めていると言われています)、スギが熟成して花粉を大量に生産し始めたことが上げられます。一斉に植林が行われたために各地のスギの樹齢差がなく、すべてのスギが一斉に花粉をとばすことも要因の一つのようです。このほか大気汚染による気道粘膜の過敏性亢進や食生活の変化による異物に対する反応の過敏化なども関与していると言われています。
その年のスギ花粉の飛散量は前年の夏の気温と日射量に左右されます。夏に暑い日が多く日射量が多い年は、翌年の雄花の数が多くなるからです。しかし、夏の天候が良くても、秋〜初冬に台風による強風や極端な秋の長雨、初冬の寒波があれば、雄花の生育が遅れ、花粉の飛散数が減少することもあります。
■花粉症の治療薬:花粉症の治療に使われるクスリには、大きく分けて3つのタイプのものがあります。
一つ目は抗アレルギー剤と呼ばれるもので、肥満細胞から遊離される化学伝達物質の遊離を抑制したり合成を阻害したりする薬剤です。このタイプの薬はその効果が十分に発揮されるのに2週間位かかりますので、症状が出る前から服用し始める事が大切です。
2つ目は、抗ヒスタミン剤と呼ばれるグループです。アレルギー反応の結果、肥満細胞より放出されたヒスタミンなどの作用をブロックする薬です。飲めばすぐに効きますので症状が出てから使うのが一般的です。抗ヒスタミン剤には共通して眠気・だるさなどの副作用が見られますが、最近はこのような副作用の少ない製剤が何種類も発売されています。
最後は、ステロイド剤です。ステロイド剤はいろいろな副作用をもっていますので、内服ではなく、局所に点鼻、点眼で使うのが安全で有効な使用法です。さらにこの他に、脱感作療法や手術、レーザー治療などがありますが、脱感作療法は現段階では効果が確実でなく時間もかかることから、あまり一般的ではありません。
■花粉症治療のポイント:スギ花粉の季節をうまく乗り切るには、医師の指導のもとに、シーズンの2〜3週間前から、予防的な治療を開始することが重要です。スギ花粉は毎年2月の中旬から連続的に観測されますので、2月上旬を目安に医師の指導を受けて下さい。この場合、抗アレルギー剤と呼ばれる内服薬を、スギ花粉が飛散する1〜2週間程前から服用を始めて、シーズン中続けるというのがスギ花粉症の治療の基本です。これは抗アレルギー剤が、十分効果を発揮するまでには、2週間程度要するからです。さらにシーズン中に症状がでた場合には、こうした薬に加えて、局所的に鼻用スプレーや、点眼薬を用います。
また、花粉症の鼻水、鼻閉などの症状には、抗ヒスタミン剤の内服は即効性があり、よく効きますが、副作用として眠けが出ることがありますので、車の運転や機械仕事の人は注意が必要です。漢方薬では小青竜湯などがよく用いられていますが、根気のよい長期の服用が必要です。
■飛散量の多い警戒日とは
1.強風または暖かい南風の吹く日
2.朝方が冷え込み、日中の気温が上がる晴れや曇りの日
3.空気が乾燥して急に湿度が下がった日
4.雨上がりの翌日でよく晴れた南風の強い日
5.飛散の多い時間帯は晴れている日の昼過ぎと日没後
最近は天気予報と一緒にスギ花粉の飛散予報もしてくれますので、花粉が多く飛びそうな日は窓を閉めて室内に花粉が入らないようにしたり、なるべく外出を避け、やむをえず外出するときには、必ず花粉症用マスクをするようにしましょう。
今年も5月のゴールデンウイークまでがんばりましょう。
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