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今月のテーマ:花粉症などアレルギーでおこる病気について |
◆ アレルギーとは?
アレルギーとは、からだに入り込んだ異物を撃退する、からだの防御反応が、過剰である場合をいいます。アレルギーを引き起こす原因物質をアレルゲンといいます。 アレルギーの病気には、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などがあります。これらの病気は症状は違いますが、同じ原因でおこります。すなわち、身体の中にアレルゲンが入り、アレルギー反応がおこり、その結果、皮膚、鼻、眼に症状としてでるわけです。
アレルギー性疾患治療の基本は、アレルゲンが身体の中に入ってこないようにすることです。治療の第2は、身体の中のアレルギー反応を押さえることです。これには、抗アレルギー剤とよばれる薬を用います。そして3番目は、それぞれの症状にあわせた局所的な治療です。すなわち、アレルギー性鼻炎の人は点鼻薬を、アレルギー性結膜炎の人は点眼薬を、アトピー性皮膚炎の人は、軟膏を使用します。
◆アレルギー性鼻炎と花粉症アレルギー性鼻炎は、発作性に頻発するくしゃみ、多量の水様性鼻漏、鼻閉を主症状とする病気です。ほかに目のかゆみ、流涙、頭痛などを伴うことがあります。アレルギー性鼻炎のアレルゲンの大部分は吸入抗原です。
アレルギー性鼻炎のなかで、春先に飛ぶ杉の花粉によりおこされる鼻のアレルギーをスギ花粉症と呼びます。以前はそれほどみられなかった病気ですが、最近は年々増加の一途をたどっており、今日では日本人の10〜15%がスギ花粉症に悩まされており、スギ花粉症イコールアレルギー性鼻炎の感さえあります。増えた原因としては、精神的ストレスの増加、加工食品の増加による栄養摂取のアンバランス、公害による大気汚染の増加などがいわれています。
最近は天気予報と一緒にスギ花粉の飛散予報もしてくれますので、花粉が多く飛びそうな日は窓を閉めて室内に花粉が入らないようにしたり、なるべく外出を避け、やむをえず外出するときには必ず花粉症用マスクをするようにしましょう。一般的に花粉は気温が高く、乾燥し、風の強い日に多く飛びます。また開花は朝に起こり、午前中に多く飛びますので、夕方に出かける方がよいでしょう。さらに夜ふかしによる体の疲労や酒の飲み過ぎ、タバコの吸いすぎは鼻の粘膜に悪影響を及ぼします。規則正しい日常生活を心がけましょう。ストレスは自律神経に影響を与え、発作の引き金になりますので、ストレスを溜めないようにしましょう。
花粉症を防ぐには、医師の指導のもとに、シーズンの2〜3週間前から、予防薬(抗アレルギー薬)を使いはじめると、症状を軽くすることができます。スギ花粉は毎年2月の中旬から連続的に観測されますので、1月下旬〜2月上旬を目安に医師の指導を受けて下さい。くしゃみや鼻水などの症状がひどいときには、一般に抗ヒスタミン剤を用いて症状を抑えます。それでも症状を抑えきれない場合には、副腎皮質ホルモンなどを鼻にスプレーする局所療法をおこないます。治療は花粉のシーズンが終わるまで続けてください。最近、難治性アレルギー性鼻炎に対してはレーザー光線で鼻の奥にある下甲介粘膜という所を焼灼し、アレルギーがおこる場所をなくしてしまおうという手術療法が登場しました。スギ花粉症は予防も可能ですので、花粉飛散前に早めに診察をうけることが重要です。
◆ アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎はかゆみをともなう湿疹を主病変とする皮膚疾患で、軽快と悪化を繰り返し、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎など他のアレルギー疾患を合併しやすいという特徴があります。アトピー性皮膚炎の多くは、成長とともに軽快し、
多くのお子さんは12〜15歳の思春期までには治癒します。しかし、最近は成人のアトピ−性皮膚炎の増加が問題となっています。成人型のアトピー性皮膚炎は、小児期のものとは異なり、ダニやホコリ、カビ、食事性のアレルゲン以外に、精神的なストレスが、悪化の大きな要因となっています。成人の外来患者の場合、20〜40%の方は精神的なストレスで症状が悪化しています。15歳以上の患者さんの場合、受験前にアトピー性皮膚炎が悪化することが知られています。
アトピー性皮膚炎の治療の基本は皮膚の清潔を保つことです。治療薬としてはステロイドホルモンの軟膏が中心になってきました。しかし最近、アトピー性皮膚炎の治療薬としてプロトピック軟膏という薬が使用できるようになりました。この薬は、免疫抑制剤で、ステロイド外用剤のように皮膚が萎縮して薄くなるというような副作用がなく、しかも効果の高い薬として注目されています。
◆ アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎の大部分は季節性のもので、春先になると、目のかゆみのために目をかいて結膜が充血したり、結膜の乳頭が発赤し増殖します。重症になると角膜や強膜にも病変が現れて目の痛みやかゆみが続きます。原因は季節性のものは花粉症と同様に花粉が遠くから飛来することによります。花粉症を起こす花粉はひのき、かもがや、ぶたくさ、その他多数があります。アレルギー性結膜炎は軽症のものは症状が始まる前から非ステロイドの抗炎症点眼などを一定期間つけると効果があるようです。しかし、アレルギー性結膜炎が発症してしまったらステロイドの点眼を行わなければなりませんので、定期的に眼科医の指導を受ける必要があります。
(2000年 1月号)
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