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今月のテーマ:スギ花粉症2000年対策 |
◆2000年のスギ花粉
日本気象協会によると、今年のスギ花粉の飛散量は「東高西低」型と予測されています。スギ花粉は猛暑の翌年は大量に飛ぶといわれていますので、昨年7、8月の平均気温が高かった東北、関東、東海地方は平年より多く、低かった近畿以西は少ないと思われます。さらに、今年は暖冬でスギの発育がはやく、東京都によると、今年の飛散量は例年の3倍、飛散量の少なかった昨年の8倍と予測されています。また、スギ花粉の1ヶ月遅れで飛び始めるヒノキも大量飛散が予想されていますので、花粉症の人にとって今年は1995年以来の「厄年」になるのはまちがいなさそうです。では具体的に花粉はどんな日に多く飛ぶのでしょうか?
◆花粉飛散の要注意日とその対策スギ花粉は以下のような気象条件の日に多く飛ぶといわれています。
1. 晴れまたはくもりの日
2. 最高気温が高い日
3. 湿度が低い日
4. 風が強い日
5. 雨の翌日
こうした日には外出を避け、窓を閉めるなどして、花粉が部屋にはいらないようにすることが大切です。しかし、多くの人の場合、通勤、通学などで外出をしないというわけにはいきません。では外出時にはどのような注意をしたらよいのでしょうか?
1. マスクを着用する。
2. 花粉が髪に付かないように髪をコンパクトにまとめる。
3. 綿や絹など表面がスベスベした洋服を着用する。
4. 帰宅時に衣服についた花粉を落とし、室内に花粉を持ち込まない。
5. 帰宅後うがいをし、目も流水中でパチパチして洗う。
マスクやゴーグルをするというのは、花粉症の人は皆さん考えるのですが、髪に花粉が付きやすいことや、ウール製品に花粉がよく付着するということは以外に盲点です。車のエアコンやファンも花粉を吸い込むため、注意が必要です。洗濯物を外で乾かしたり、ふとんを日光に干したりした場合、花粉をよく落としておかないと、夜寝る時にそれらの花粉を吸いこむことになります。このようなことは日常生活の中で注意するよう心がけたいものです。
◆ スギ花粉症はなぜ起こるの?スギ花粉症は、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などと同じアレルギー疾患の一つです。アレルギーとは、からだに入り込んだ異物を撃退する、からだの防御反応が、過剰である場合をいいます。アレルギーを引き起こす原因物質をアレルゲンといい、スギ花粉症の場合は、スギ花粉がアレルゲンです。症状が出るメカニズムは以下のとおりです。
1. スギ花粉(抗原)を吸い込む。
2. からだの中に、スギ花粉に対する反応物質である、抗体(IgE抗体)ができる。
3. その抗体は鼻の粘膜の表面にある、肥満細胞にくっつく。
4. 再び抗原(スギ花粉)が入ると、抗原抗体反応が起こり、ヒスタミンなどの化学伝達物質が肥満細胞から飛び出す。
5. そのヒスタミンなどが神経や血管に作用し、鼻水が出たり、くしゃみ、目のかゆみなどの花粉症の症状となる。
◆ スギ花粉症の検査スギ花粉症を含めアレルギーの検査は2段階に分けて考えることができます。つまり、自分にアレルギーがあるかどうかの検査(アレルギー体質の有無)と、何に対してアレルギーがあるかの検査(アレルゲンの特定)です。前者は血中IgE濃度測定、好酸球数測定に、アトピー鑑別試験を加えます。これらの検査は医療費負担も少なく、3割負担の人で約2.000円です。これに対してアレルゲンを特定する検査は、頻度の高いアレルゲンを10種類程度ピックアップし、個別に調べるものです。この検査は調べるアレルゲンの数にもよりますが、3割負担の人で3.000円〜6.000円程度かかります。しかし、この検査は1度おこなえば、自分のアレルゲンがなんであるのか知っておくことができますし、アレルゲンに対する予防的手段を講じることもできます。また、スギ花粉症とずっと思っていた人が、この検査をおこなったところ、スギ花粉にはまったく反応せず、ハウスダスト(家ゴミ)とコヒョウダニと反応がみられたということもありました。これらアレルギーの検査はすべて採血をおこなうだけで済みます。
◆ スギ花粉症の治療スギ花粉症の治療薬には、発症を予防する薬と、症状を軽くする薬の2種類あります。前者は、抗アレルギー剤と呼ばれ、内服用と局所用があります。内服用の抗アレルギー剤をスギ花粉が飛散する1〜2週間前から服用を始めて、シーズン中続けるというのがスギ花粉症の治療の基本です。後者のもっとも強力な薬はステロイド剤と呼ばれ、おもに局所的(鼻用スプレー.点眼薬)に用います。これらは、花粉の飛散量のピークのとき、症状の重いときによく用いられます。適量を超えて使用すると副作用が現われる可能性がありますので、医師の指導のもとに使う必要があります。局所用ステロイドは副作用も少なく、しかも高い効果が得られます。くしゃみ、鼻みずが軽い場合には、抗ヒスタミン剤の内服は即効性があり、よく効きますが、副作用として眠けが出ることがありますので、車の運転や機械仕事の人は注意が必要です。この他の治療薬として、鼻汁が非常に多いとき、また鼻づまりがひどいときには、それぞれ頓用で使う点鼻薬があります。漢方薬では小青竜湯などがよく用いられていますが、根気のよい長期の服用が必要です。
スギ花粉症の根治療法として、特異的滅感作療法(免疫療法)があります。これは週にl〜2回スギ花粉の抗原エキスの注射を続け、体をスギ花粉に慣らそうという治療です。効果がでるまでに3年ほどかかりますが、ひとたび効果が現われたら長く続くといわれています。
◆ スギ花粉症との上手なつきあい方スギ花粉症のシーズン中に「薬が効かなくなった」といって医師のもとを訪れるひとの多くは、市販の点鼻薬の使いすぎです。こうした薬の多くは自律神経に作用する血管収縮薬を主成分としていますが、作用時間が短く、したがって、使いすぎてしまう場合が多く、薬が切れたときに症状がひどくなるリバウンドをおこします。このような症状は「点鼻薬性鼻炎」などと呼ばれます。このようなことにならないためにも、花粉が飛ぶ前から抗アレルギー剤を服用し、シーズン中はずっと続けることが重要です。症状が出ているときには、抗アレルギー剤が効きづらいということも頭にいれておいてください。しかし、こうした薬の効果も、さきほど述べた日常生活上の花粉への防御と相まって、十分な治療効果が上がります。
(2000年3月号)
〜ホームページ(HP)を準備中です〜
昨年の秋にインフルエンザの予防接種をされた方から、質問のEメールを受け取ったことがありました。当クリニックに置いてある、診療時間案内にEメールアドレスが記載してあり、それでメールを送ったとのことでした。しかし、私自身はそのことをすっかり忘れていました。このことがあってから、インターネット上にホームページ(HP)を開設すれば、より多くの方にこまえクリニックの診療方針等を知っていただけるのではないかとずっと考えていました。また、この出来事を通じてHPを地域の皆さんとのコミュニケーションの場にできるのではないかとも考えました。そうしたことを思いつつ、現在HPの準備を進めています。HPは以下のような内容にしたいと思っています。
1. バーチャルにクリニックの中を探検できるようにしたい。
2. 健康医学情報のバックナンバーを読めるようにしたい。
3. なるべく多くの検索エンジンでアクセスできるようにしたい。
4. Eメールを通じて医療相談をおこないたい。
5. 皆様の意見をわれわれの医療に反映させたい。私は現在のところ、以上のようなことを考えているのですが、HPの内容をより良いものにするため、皆さんのいろいろなアイデアやアドバイスを是非お願いしたいと思っています。
なお、花粉症に関する質問のある方は、こまえクリニック午後の診察時間に電話にてご相談ください。直接来院していただいても結構です。また、Eメールでもどうぞ(Eメールアドレス:hojo@koma-cli.jp)。(2000年1月24日記)
お問い合わせ : hojo@koma-cli.jp →mail
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