6月号

今月のテーマ:家庭でできる食中毒の予防


家庭でできる食中毒の予防

これから迎える梅雨やそれに続く季節は食中毒のシーズンでもあります。食中毒予防の三原則は、バイ菌をよせつけない・増やさない・殺すです。以下に家庭で行える簡単な注意事項をあげてみましょう。

☆冷蔵や冷凍の必要な食品は、帰宅後、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
☆冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は、−15℃以下に維持しましょう。
(細菌の多くは、10℃では増殖がゆっくりとなり、−15℃では増殖が停止します。)
しかし、細菌が死ぬわけではありません。早めに使いきるようにしましょう。
☆肉や魚などは、ビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中の他の食品に肉汁などが移らないようにしましょう。
☆肉、魚、卵などを取り扱う時は、前後に必ずせっけんで手指を洗い、水で十分に洗い流しましょう。
 (簡単なことですが、細菌汚染を防ぐ良い方法です。)
☆食卓に付く前に手を洗いましょう。
☆温かく食べる料理は常に温かく、冷やして食べる料理は常に冷たくしておきましょう。
 めやすは、温かい料理は65℃以上、冷やす料理は10℃以下です。
☆調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。
(例えば、O157は室温でも15〜20分で2倍に増えます。)

食中毒は簡単な注意事項をきちんと守れば予防できます。それでも、お腹が痛くなったり、下痢をしたり、気持ちが悪くなったら、なるべく早くかかりつけのお医者さんに相談しましょう。

O157とは?

1996年、学校給食等が原因となった、大規模の集団食中毒が多発しました。そしてこの食中毒の原因菌であったO157はすぐにすべての日本人の知るところとなりました。では、O157とはどんなバイ菌なのでしょうか?
O157は大腸菌の一種で、熱に弱く、75℃で1分間加熱すれば死滅します。しかし、低温条件に強く、家庭の冷凍庫では生き残ると考えられています。水の中では相当長期間生存します。また、ヒトへの感染が成立する菌の数は100個で十分といわれています。O157の感染は、飲食物を介する経口感染で、O157に汚染された飲食物を摂取するか、患者の糞便で汚染されたものを間接的に口にすることが原因です。そのため、人から人への二次感染を起こすことがあります。

O157感染症の症状は?

O157感染症では、全く症状がないものから軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症を起こし、時には死に至るものまで様々です。多くの場合は、おおよそ3〜5日の潜伏期をおいて頻回の水様便で発病します。さらに、激しい腹痛を伴い、まもなく血便となることがあり、これは出血性大腸炎と呼ばれます。熱が出ることはすくなく、あっても多くは一過性です。

食中毒の治療を医師はどのように行うか?

食中毒は、症状、季節、患者さんの年齢などを考慮して、それに応じた治療を行います。食中毒の治療の基本は、安静、水分の補給及び年齢、症状に応じた消化しやすい食事の摂取です。経口摂取が不可能な場合には点滴による水分と栄養の補給を行います。腹痛が強い場合には痛み止めの注射を行うことがあります。抗菌剤を用いてバイ菌をたたくことが重要なのですが、O157などの場合、抗菌剤の使用は、菌を破壊することにより、菌体内の毒素を放出させ、症状を悪化させる可能性があります。そのため、静菌的と呼ばれる殺菌力の強くない抗菌剤を用い、下痢止めの使用はさしひかえます。

(2000年6月)

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お問い合わせ : hojo@koma-cli.jp →mail

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1999年12月号 インフルエンザの予防と治療について
2000年01月号 花粉症などアレルギーで起こる病気について
2000年02月号 かぜのくすりの正しい知識を持ちましょう
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2000年05月号 女性とホルモンと病気

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