8月号

今月のテーマ:高脂血症について


高脂血症とは?

 高脂血症とは血液中の脂質(脂肪)が異常に多い状態をいいます。特に動脈硬化と関連するのはコレステロールと中性脂肪です。さらに、このコレステロールの中のLDL(悪玉)コレステロールが動脈硬化を促進させ、HDL(善玉)コレステロールが動脈硬化を予防することが知られています。コレステロールは生活習慣病の要因として悪者扱いをされますが、細胞膜やホルモンなどを合成する材料としてなくてはならない大切 な物質でもあります。 そのため食べ物からも摂取されますが、主に 肝臓で常につくられ、血液によって全身に運ばれます。肝硬変などの重い肝臓病では、血中のコレステロールの値は低下します。要はこのLDLコレステロールとHDLコレステロールのバランスが大切です。


なぜコレステロールが高いといけないのでしょう?

 血液中のコレステロール値が高い状態が長く続くと、血管の内側に余分なコレステロールが付着し、血管を硬くし、血管の中を狭くしていきます。これを 動脈硬化といいます。日頃からコレステロール値を正常に維持するように心掛けましょう。高脂血症があっても自覚症状は特に見られませんが、高脂血症が長く続くと、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳血栓・脳梗塞、足などの閉塞性動脈硬化症などを起こしてきます。高脂血症の早期発見が重要なゆえんです。


どういう時に注意が必要ですか?

 一般の健康診断(人間ドック)などで、下記の時に注意が必要です。
 
総コレステロール ……… 220mg/dl 以上
中性脂肪 ………………… 150mg/dl 以上
HDLコレステロール …… 40mg/dl 以下

 血液中の総コレステロールが220 〜240mg/dL、中性脂肪が150〜200mg/dLの範囲ならば、食事療法、運動療法などを行うことでコレステロール値が正常になる場合もあります。しかし、こうした治療を続けても十分な改善が認められない場合は、薬物療法を併用することになりますので、医師の指導のもとにコレステロールを管理することが大切です。

女性の高脂血症について

 女性は、50歳前後から高コレステロール血症と診断されるケースが 急増します。その時期はちょうど、日本女性の平均閉経期と同じです。生殖期の女性では卵巣から盛んに分泌されるエストロジェンというコレステロールを低下させるホルモンが、閉経以降は分泌が極端に低下してきますので、LDL(悪玉コレステロール)が増え、 動脈硬化が進行していきます。


糖尿病患者の高脂血症の合併は注意が必要です!

 糖尿病や高脂血症は、個々の病気だけでも動脈硬化の引き金になる病気です。そして、その二つが合併すると、単なる足し算以上に動脈硬化の進展に影響します。さらに狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など生命にかかわる病気に陥る可能性が高まるといわれています。 積極的な食事療法、運動療法を行い、定期的に血糖値およびコレステロール値をチェックすることが重要です。また、自分はどの脂質に異常があるのか(コレステロール値が高い、中性脂肪値が高い、もしくは両方とも高い)を知っておくことも重要です。

高脂血症の治療

 高脂血症の治療の目的は、このような動脈硬化が原因で引き起こされる病気を予防することです。高脂血症の治療の基本は食事療法と運動療法です。肉食を控え、大豆食品などの植物性蛋白質をよく取り、運動によるカロリー消費を適切に行うことが重要です。運動はLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を低下させ、HDL(善玉)コレステロールを増加させます。また、アルコールを取りすぎないようにすることも重要です。食事療法や運動療法を行っても高脂血症が改善しないときは、薬を使ってコレステロールや中性脂肪の値を改善させます。しかしながら、高脂血症の治療薬は、高脂血症の原因そのものを治す薬ではなく、コレステロールを下げるための薬です。ですから、血液中の総コレステロール値が基準値(220mg/dL未満)まで下がったからといって薬を止めてしまえば、再びコレステロール値はアップしてしまいます。すでに心筋梗塞などの動脈硬化による病気を起こしてしまった方、また、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病(成人病)を合併している方は特にしっかりと治療する必要があります。
 これまでは、コレステロールを下げる薬として、メバロチンという薬が多く使用されてきました。しかし、今年の5月からリピトールというより治療効果の高い薬を使用できるようになりました。私の経験でもリピトール1錠で、メバロチン2錠に匹敵する効果が期待できます。高脂血症の薬は高価なので、患者さんの医療費負担の軽減という点でも有用な薬と考えています。

高脂血症予防の10カ条

01)食べ過ぎは禁物

02)動物性脂肪は控えめに

03)コレステロールの多い食品は控えめに

04)甘いものはほどほどに

05)食物繊維を十分に

06)ビタミンを十分に

07)食事はゆっくりと

08)アルコールはほどほどに

09)たばこはやめましょう!

10)適度の運動を習慣に

(2000年8月)

◆◆生活習慣病と市民ミニドック◆◆

狛江市には、生活習慣病の早期発見を目的とした「ミニドック」という制度があるのをご存知でしょうか? この「ミニドック」は狛江市に居住する35歳以上の男性、30歳以上の女性ならだれでも年に1度無料で受診することができます。「こまえクリニック」ではこの「ミニドック」を狛江市民の健康増進のために積極的に実施したいと考えています。この検査を受けるために市役所や医療機関へ事前に申し込む必要はありません(健康保険証も必要ありません)。また、この「ミニドック」と、あいとぴあセンターで受診できる集団ガン検診と併用すれば、より確かな健康管理がおこなえます。

お問い合わせ : hojo@koma-cli.jp →mail

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1999年12月号 インフルエンザの予防と治療について
2000年01月号 花粉症などアレルギーで起こる病気について
2000年02月号 かぜのくすりの正しい知識を持ちましょう
2000年03月号 スギ花粉症2000年対策
2000年04月号 糖尿病大丈夫ですか?
2000年05月号 女性とホルモンと病気
2000年06月号 食中毒の予防について
2000年07月号 子どもが熱を出したら

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