9月号

今月のテーマ:高齢者の病気の特徴と骨折について


高齢者の病気の特徴

 高齢者は体の機能が低下し、余力が少ないので、いったん病気にかかると悪化しやすく、治りにくい傾向があります。症状もはっきり出にくく、発見が遅れると、すでに重症になっている場合があります。日頃から、その人をよく見て、異常があればすぐに医療機関を受診することが大切です。高齢者の病気には以下のような特徴があります。


加齢に伴う身体的変化

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは?

 骨粗鬆症とは骨の成分が全体として減少し、骨折しやすくなった状態をさします。
骨粗鬆症を引き起こす原因としては、以下のようなことが、考えられています。

 骨粗鬆症は、腰痛、背部痛、骨折などの症状により発見されることが多いのです。しかし、健康診断などで骨量測定を行なっていれば、症状が出る前に発見することができます。また、レントゲンでひどい骨粗鬆症があっても症状がない場合もあり、注意が必要です。骨折は、背骨(脊椎)、足の付け根(大腿骨頸部)などにおこりやすく、脊椎には圧迫骨折といい、背骨がつぶれる形の骨折が多く、腰が曲がり、前かがみになり、背が低くなる姿勢の原因となります。大腿骨頸部の骨折は転んだ時などにおこりやすいが、なかには腰をひねっただけで骨折する場合もあります。骨粗鬆症はカルシウム、運動、ビタミンDの3つが不足しないよう日常生活の中で心がけることにより、ある程度予防することができます。

高齢者の骨折の特徴

 高齢者の骨折は骨粗鬆症、痴呆、脳血管障害、パーキンソニズム、変形性膝関節症などを基礎疾患として、歩行中や室内での転倒など軽微な外力によって発生することが多いのが特徴です。骨折がよく起きる部位としては、大腿骨頚部と脊椎(せ骨)圧迫骨折があげられます。年をとると生理的機能低下のため、バランス機能、歩行機能の低下、視力低下などにより若年者に比べ容易に滑ったり、よろめいたり、足がもつれたりして転倒してしまう危険性を常にもっています。高齢者は骨がもろく、また骨密度の低下した骨粗鬆症の患者も多いため、骨折しやすいのです。老人の骨折では男性:女性が1:3の割合で圧倒的に女性の骨折が多いのです。これは骨の強度の指標となる骨密度が加齢、運動不足に伴って低下するのに加え、女性では閉経などによる女性ホルモンの分泌不足が骨密度を更に低下させるためと言われています。

骨折の予防

 高齢者は、歩行パターンが前傾姿勢となり、すり足歩行・小股歩行が目立つようになり、また平衡機能の低下に伴いバランスを簡単に崩しやすい状態にあります。そのため、転倒に対する予防が、とりもなおさず骨折の予防でもあります。以下のような工夫で、転倒のリスクをおさえることができます。

(2000年9月)

◆◆インフルエンザが話題にのぼりはじめました◆◆

インフルエンザがポツポツと話題に上がるようになりました。厚生省調査によると、1999年の日本人の平均寿命は男女とも、少し短くなりました。この原因は昨年のインフルエンザの大流行により、肺炎の死者が増えたことによるもので、男女共に寿命が縮んだのは、阪神大震災があった1995年以来です(読売新聞8月19日)。
 インフルエンザの予防にはワクチンが有効であることが、最近強調されるようになりました。インフルエンザワクチンはかつては低年齢層を中心に行なわれてきましたが、高齢者のほうが、より有効性が高いことがはっきりしてきました。昨年はワクチンが全国的に不足し、すべての方にワクチンが行き渡らないという事態が生じました。当クリニックでもワクチンを十分に準備し、今年のインフルエンザウイルスの襲来に備えたいと考えています。
 以下に該当される方は、ワクチンの接種をおすすめいたします。

・65歳以上の方
・高齢者と接する機会の多い方
・幼稚(保育)園児
・慢性の基礎疾患のある方
・受験生とその家族
・気管支喘息のお子さん

お問い合わせ : hojo@koma-cli.jp →mail

バックナンバーはこちら

1999年11月号 生活習慣病を理解しましょう
1999年12月号 インフルエンザの予防と治療について
2000年01月号 花粉症などアレルギーで起こる病気について
2000年02月号 かぜのくすりの正しい知識を持ちましょう
2000年03月号 スギ花粉症2000年対策
2000年04月号 糖尿病大丈夫ですか?
2000年05月号 女性とホルモンと病気
2000年06月号 食中毒の予防について
2000年07月号 子どもが熱を出したら
2000年08月号 高脂血症について

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