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今月のテーマ:骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とその予防 |
◆骨粗鬆症の原因
骨粗鬆症の原因は様々ですが、以下のようなことが重要と考えられています。
[予防可能な原因]
カルシウム不足:カルシウムは骨の材料になります。
運動不足:運動は骨にカルシウムをたくわえます。
ビタミンD不足:ビタミンDはカルシウムの吸収を助けます。
[不可避的な原因]
遺伝や体質:人種、体質などが影響します。
年齢:40歳位から骨の量が減ってきます。
女性ホルモン:女性ホルモン(エストロゲン)が不足すると、骨の量が減ります。特に閉経後に多く見られます。◆骨粗鬆症になりやすい人
人は30歳頃に最も骨の量(骨のカルシウム量)が多くなり、その後、少しづつ減少していきます。女性の場合、多くは閉経後急速に骨の量が減少し、骨粗鬆症にむかっていきます。しかし、人によって骨粗鬆症になりやすい人となりにくい人があります。30歳位までに運動をあまりしなかった人、閉経が早くおこった人、手術で卵巣を摘出した人、やせた人、乳製品(牛乳やチーズ)をあまりとらない人、お酒をよく飲む人、タバコを吸う人などが骨粗鬆症になりやすいといわれています。◆骨粗鬆症と骨折
骨粗鬆症になって骨がもろくなると、骨が折れやすくなってきます。よく折れる部位は、まず背骨です。尻もちをついたときに急に腰痛がおこれば、背骨の一部がつぶれた可能性があります。また、自分の体の重みだけでも背骨が徐々につぶれることもあります。このような骨折が長年の間に繰り返しおこると、だんだん腰が曲がってくるわけです。骨粗鬆症の人は、転んで手をついたときに、手首の骨折もおこりやすくなります。脚のつけ根(大腿骨頚部)の骨折もよくおこりますが、寝たきりになる原因として重要であり、寝たきりのお年寄りの10人に1人は、大腿骨頚部骨折が原因になっています。
家の中で転んで骨折をおこす人が多くいます。例えば、布団やじゅうたんの端、電化製品のコード、敷居などのわずかな段差でつまずいたり、滑りやすい廊下、フロ場で転びそうになったことはありませんか?骨粗鬆症になっている人が骨折をおこさないためには、まず転ばないようにすることが大切です。また視力が悪くなった人は、つまづかないように特に注意し、視力を得るために眼科医の診察を受けることも重要です。背骨がすでに曲がってきた人は、特に転びやすいので注意が必要です。◆骨粗鬆症の予防
骨粗鬆症を予防し、骨を強くするための三原則は、食事・運動・日光浴です。
[食事]
日本人の食事で唯一不足しているのがカルシウムです。
カルシウムは乳製品や大豆食品、小魚、緑黄野菜、海草などに多く含まれています。カルシウムは吸収されにくい栄養素ですが、良質のたんぱく質やビタミンDを多く含む食品といっしょにとると、吸収がよくなります。日本人は欧米の人に比べてカルシウム摂取量が少ないことが知られています。
カルシウムが多く含まれるものを積極的にとりたいものです。特に牛乳や乳製品に含まれているカルシウムは腸からの吸収がよいために、カルシウムの補給に理想的な食品と言われています。1日に必要なカルシウムの量は600mgとされていますが、これはほぼ牛乳600ccに相当します。
[運動]
骨粗鬆症を予防するためには、骨には適度な荷重がかかっていることが必要です。また、適度な運動で骨が刺激されると、体内に入ったカルシウムが有効に使われ、骨量が増えることがわかっています。家事で毎日こまごまと動くことでも骨を強くできます。大切なことは、毎日楽しみながら続けることです。30分程度の散歩や、軽いスポーツなどの適度な運動を日課とすることによって、骨といっしょに身体を支えている筋肉も強くなり、身のこなしがよくなりますから、転倒による骨折の予防にもなります。それぞれの人が楽しく運動する方法を工夫してみましょう。
[日光浴]
カルシウムの吸収に欠かせないビタミンDは、人間の皮膚が日光の紫外線を浴びることでつくられます。ですから日光浴は骨粗鬆症の予防にとって大切です。夏なら木陰で30分、冬なら手や顔に1時間ていどの日光浴で十分です。外に出る習慣があれば、自然に日に当たることができます。ガラスは紫外線をあまり通さないため、窓越しの日光浴ではあまり効果はありません。◆骨粗鬆症の診断
あなたがすでに骨粗鬆症にかかっているかどうかを知りたいときには、まず身長を計ってみてください。若いときの身長と比べて、相当背が低くなっていれば、骨粗鬆症はすでにはじまっていると考えてよいでしょう。気になる人は、医師に相談してみましょう。
骨粗鬆症の検査は骨の量を測ること(骨密度測定)をまず行います。また、血液検査や、尿検査も行うことがあります。骨粗鬆症の診断には問診も重要な手がかりとなりますので、自分の病歴や生活習慣(食事内容や運動習慣など)を説明できるように、あらかじめ整理しておくとよいでしょう。◆骨粗鬆症の治療
骨粗鬆症を予防したり治療するための薬がいくつかあります。それぞれの薬は、いろいろな目的で使われます。カルシウム剤は食べ物でのカルシウム不足を補い、ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収をよくする薬です。よく医師の説明を聞いて、治療を受けることをおすすめします。あなたが50歳代の女性であれば、女性ホルモンによる予防的治療(ホルモン補充療法)についても知っておいてください。これは、閉経からはじまる骨の減少の程度を定期的に検査し、骨の減少が急速な場合に使用されます。この治療は欧米ではよく行われている方法で、効果は明らかですが、我が国ではまだあまり普及していません。この治療方法ではおりものがやや増えたり、乳房がはったりする人がありますから、1年に2回程度、婦人科の医師による検診が必要です。骨の減少を防止する治療法として、効果の高い方法とされていますので、関心のある方は医師に相談してください。◆骨密度外来開設
骨粗鬆症は予防と早期発見が重要です。「こまえクリニック」では超音波骨密度測定装置を導入し、骨粗鬆症診療に力を入れております。この検査は約2分で結果がプリントアウトされます。検査結果は患者さんにお渡ししております。この装置は放射線を使用しませんので、人体への影響はありません。
さらに、血液中のカルシウム、リン、アルカリフォスファターゼ濃度や、各種の女性ホルモン値を同時測定することにより、骨粗鬆症の程度を把握することができます。(2001年1月)
◆「健康医学教室」のご案内
「こまえクリニック」では「健康医学教室」をおこなっています。みなさんの関心の高い病気、話題をとりあげ、スライドを使い、院長がお話します(無料です)。
第2回のテーマ:コレステロールのお話
内容:コレステロールが高い状態を放置すると、脳卒中や心筋梗塞などの怖い病気につながります。高脂血症予防の日常生活上の注意、早期発見の方法、治療についてわかりやすく説明します。また、善玉、悪玉コレステロールについてもお話しします。
日時:1月25日(木)14:00〜15:00
1月27日(土)14:00〜15:00
(内容は同じです。都合のよい日におこしください。)
会場:こまえクリニック(狛江駅南口徒歩1分)*お問い合わせ、申し込みは「こまえクリニック」へ(TEL5438−2525)事前にお願いします。
*当日「健康医学教室」のあとに、健康相談を行います。バックナンバーはこちら
1999年11月号 ●生活習慣病を理解しましょう 1999年12月号 ●インフルエンザの予防と治療について 2000年01月号 ●花粉症などアレルギーで起こる病気について 2000年02月号 ●かぜのくすりの正しい知識を持ちましょう 2000年03月号 ●スギ花粉症2000年対策 2000年04月号 ●糖尿病大丈夫ですか? 2000年05月号 ●女性とホルモンと病気 2000年06月号 ●食中毒の予防について 2000年07月号 ●子どもが熱を出したら 2000年08月号 ●高脂血症について 2000年09月号 ●高齢者の病気の特徴と骨折について 2000年10月号 ●健康診断を受けましょう 2000年11月号 ●心臓の病気と高血圧症 2000年12月号 ●インフルエンザの予防、早期診断、早期治療