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今月のテーマ:インフルエンザの予防と治療について |
◆ インフルエンザとは?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染によって起こる急性の呼吸器感染症です。突然の発熱、頭痛、全身各部、特に関節の痛み、全身倦怠感や脱力感を主な症状として発症し、それと前後して咳やのどの痛み、鼻水、鼻づまりなどの呼吸器症状が出現するようになります。また全身症状も比較的重く、40度近い発熱、食欲減退、吐き気 、下痢などがみられることもあります。
症状は、通常1週間前後で回復に向かいますが、基礎疾患(糖尿病・肝炎・心臓病など)を持つ人、高齢者や小児の場合は合併症を起こしやすく、死に至ることもある「怖い感染症」です。毎年、高齢者や慢性の基礎疾患を持った方を中心に、インフルエンザで数十名から数百名の方が亡くなっています。昨年は大流行があり、1300名のかたが亡くなられました。インフルエンザはカゼではないということを十分に理解する必要があります。◆ なぜインフルエンザは毎年流行するのか?
インフルエンザウイルスが他のウイルスと最も大きく違っているのは、同じ人が何回も感染してしまうことにあります。それはこのウイルスが頻繁にその姿を変えてしまうためウイルスの構造が変わってしまうので、前回感染したときの抗体はインフルエンザウイルスを認識することができません。それで、ウイルスを排除することができないため、また同じ人が感染してしまうわけです。もし、ウイルスの変化の程度が小さければ、小規模な流行が起こり、大きな変化を起こした時は大流行が起きます。
◆ インフルエンザの予防接種はした方がいい?
インフルエンザワクチンの予防効果は決して100%ではありませんが、60%〜80%あると言われています。接種はインフルエンザ流行前に通常2〜4週間あけて2回行ないます。できれば年内に接種されるのがよいでしょう。今年の冬は、インフルエンザは大流行と予測されています。インフルエンザワクチンによる免疫の効果が出るまでには2週間程度かかります。新聞やテレビでインフルエンザの流行が報道されてから、ワクチンを注射する場合は1回のみで行ないます。このやり方でもある程度の効果は期待できます。インフルエンザワクチンは70才以上の高齢者、慢性の基礎疾患を持った方や受験生などは受けておいたほうがよいでしょう。
インフルエンザワクチンの接種費用は健康保険が効きません。(当クリニックでは1回の接種料金を3,500円としています。)インフルエンザワクチンの接種による副作用は、接種部位の腫れ、かゆみなどの局所反応がほとんどです。しかし、まれに発熱、頭痛、倦怠感などの全身症状がみられることがあります。◆ ワクチン接種以外の感染予防の対策は?
インフルエンザの予防・治療ともに最も大切なことは、『休養』です。ぐっすり眠り、体力を回復させましょう。うがいや手洗いの励行はもちろん重要です。そして、バランスの良い食事をとること。特に、タンパク質・ビタミン類(緑黄色野菜・柑橘類)が不足しないようにすることです。入浴後の湯冷めや寝冷えに注意し、入浴後は早く床に入り、暖かくして寝ます。寒気に襲われた時には温かい飲み物を飲みましょう。また、気温差は身体にとって意外とストレスになるのでこまめに衣服の着脱を行い、外出する際は上着を持ち暖かくして出かけて下さい。
◆ インフルエンザにかかったら
ではインフルエンザを予防していてもかかってしまったら、どうすればいいのでしょうか?昨年までは休養して、ぐっすり眠り、体力を回復させる以外他に方法はありませんでした。しかし、今年からはアマンタジンというインフルエンザウイルスの増殖を抑えるクスリが使用できるようになりましたので、これにより早期の治療が行なえるようになりました。ただこのクスリは発症後48時間以内に使用しないと効果があまり期待できないといわれています。ですから、インフルエンザかな?と思ったらなるべく早く医師に相談することが重要です。また、近々吸入タイプのインフルエンザ治療薬が発売される予定もあり、今までのように手をこまねいているだけではなくなりました。
(1999年 12月号)
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99年11月号