これまでの10年、これからの10年

 銀行から、定期預金が満期を迎えるというお知らせが届いた。預け入れたのは十年前の平成八年で、利率は二・四五パーセント。ちなみに、この定期預金を自動継続した場合に適用される金利を問い合わせてみたところ、〇・一二パーセント程度だという。この十年で、金利は二十分の一になってしまったというわけだ。

 そんなデフレ、低金利に私たちはすっかり慣れてしまっているが、この状況にそろそろ変化のきざしが見えつつある。
 このところ企業の収益が大きく改善し、賃金や雇用にプラスの面が出てきた一方で、物価がわずかに上昇する気配を見せている。簡単にいってしまえば、景気がよくなり始めているということだ。
 それを受けて今年は、日銀がいつ「量的緩和の解除」に踏み切るかに注目が集まっている。これが解除されれば長期金利の上昇につながり、やがて短期金利も上がることが予想される。

「ニチギン」「リョーテキカンワ」など、私たちには縁がないように思えるが、決してそんなことはない。
 例えば住宅ローン。住宅の購入を考えている人は、できれば金利が上がる前に住宅ローンを借り入れたい。変動金利型や、2年あるいは3年といった短期間固定金利型の住宅ローンは、長期固定型に変更するタイミングが近づいているということになる。

 預金金利はすぐには上がらないとはいえ、今年はデフレや低金利の時代が終わり、新しい十年の始まりの年になるかもしれない。
 この一年、新聞の経済ニュースにしっかり目を通して、時代の変化を見極めたい。

(東京新聞 2006年1月19日)  


 

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