◎今まさに

見よ!
世界は今まさに激しく弾け
心無き何かに答えにならない
答えを叫び出す!
(凍えた心ならば
 何時か必ず萌え出し息吹く
 春風呼び込む胡蝶蘭のやうに)
熱くも止めど無く冷たく
瓦解していく情熱も微笑みも
一時の静寂を許さぬ程に!
(恫喝の中に未来を見たのなら!)

震えているのは体ではなく心と言う名の有機体
(そして宇宙の底で戦慄いて)
(そして宇宙の天で鳴咽して)
感じているのは脳ではなく魂と言う名の幻想体
(そして涅槃の表で明滅して)
(そして涅槃の裏で収縮して)

目に見えぬ世界の崩れが
何時ぞやの夕餉に似て
絡み付く常識の檻が
確固たる勇気を持って
我々を清くあざとく裁く時

嗚呼 果てし無く 言葉は緩やかで
嗚呼 果てし無く言葉は脆弱で
嗚呼 果てし無く 言葉は溢れ続け

今まさに檻を破った獣の如く
今まさに越冬した蝶の様に
笑い掛けてくる精神の波間を今まさに
泳いで溺れて苦しんで今まさに
また旅へ歩き出すと言い続けるのならば
漠然たる陰鬱と優越を覚えさせた雷を握り

今まさに そう今まさに
風の流れに涙を零せ!
(感じる感触は百花繚乱の蝉時雨)
今まさに そう今まさに
火の強さに心惑わせ!
(悶え狂うは体裁ばかりの偽善信仰)
今まさに そう今まさに
土の匂いに敬礼せしめれば
今まさに そう今まさに
世界が全てを飲み込んだと感じたのなら!
(悔恨と希望を綯い交ぜに崩せ!)

まだ守られている
その弱き過去から紡がれた
果てし無く拠り所にすらならぬ
不確定要素の神髄を含んだ
そう 今まさに愛撫しているその言霊を
突き出しながら叫び出せ!

揺らぐ心は桃源郷
崩れる心は黄金郷
畏れる前に恐れるのは
愚の骨頂!

今まさに そう今まさに!
動け心の躍動と
今まさに そう今まさに!
知らぬが仏なら
確実に知る事を始め給え
今まさに そう今まさに!
今まさに そう今まさに!
弾ける何かと共に
心の限り 命の限り
派手に立ち回れ!
その木偶の坊染みた純真さと共に!

動く時は今!
騒ぐ時は今!
(命の躍動は今まさに文字と言う世界を崩しながら
 激しく己の中の持てる全ての固定観念を崩して崩して
 何時までも待ち続ける案山子の様な甘い戯言を
 天下に落とす事無く落雷の愛のままで
 今まさに そう今まさに
 叫び出した目覚めの咆哮を
 誰が止める事ができるのだろうか!)
今まさに そう今まさに!
今まさに そう今まさに!
動く時は今!
騒ぐ時は今!

今まさに 私は目覚める!

命の約定と魂の輪廻の狭間で
感じる言葉と考える言葉の
豪華絢爛たる古より伝わりし
言葉の呪力に従って!

そう今まさに!

この詩に感想を書く          一つ上に戻る