ほらほら
聞こえるかい?
済し崩しで笑い掛ける
自分の醜い涎の垂れる音が
まるで世界や真理を
悟ったふりした野良猫の
背中なんか撫でているから
何処にでも売っているような
安い自負心に惑わされる
ほらほら
聞こえてくるだろう?
意味の無い見栄と知識を
ひけらかす道化師の高笑いが
何か大切なもの
見失ってはいませんか?
何か大切なもの
知らずに捨てていませんか?
ほらほら
聞こえるかい?
自分の内側から崩れ始める
垢が剥がれる爆音が
ほらほら
聞こえるかい?
その音が止んだ先に
痩せ細り寒さに震える
自分の貧相な体を
自分で抱き締めるしかない
小さな餓鬼が零す
泪の音が