俄かに貴女の微笑みが
私の世界を温める時
それが春風の様に優しく
欠けた世界の万象に
緩やかに語り掛ける頃
穏かに日々が流れる優しさと
陰鬱なる世界の悲しみとの間に
一時の優雅を与えつつ
あわれ 貴女は静かに佇む
あわれ 貴女の御前で私は子供に環えり
あわれ 貴女が溶け出して
あわれ 貴女と幽玄の柔和を連環す
固執する我等が称えた幸せは
どこか儚く弱くて夢想
そんな頭で作る幻想を越えて
貴女は静かに手を広げ
有機体の集合体なこの
未完成な魂を包み
私は静かに子供に環えり
私は穏かに眠りに就く
そういう最後の時に
音階の崩れた世界に埋没しながら
死に近い世界の極みの中で
貴女の微笑みで満たされていたい
願わくば 大いなる優しさと
願わくば 小さな安堵と
願わくば 貴女の側で
願わくば…
俄かに貴女の微笑みが
私の世界を温める時
私は素直に子供に環えり
欠けた世界の万象の一片に関わりながら
貴女と幽玄の柔和を連環す
嗚呼
たおやかに
たおやかに