書と詩

◆雫様◆

雫様 作  「流砂」

雫様の気持ちと書の力と現代の色使いの力を合わせた味わい深い一筆です。
初めてこの書を見た時、ただただ砂の質感と煌く瑠璃色の奏でる存在感が迫ってきて
如月の心は一瞬にして掴まれそして下界から切り離されそして心の底から浮遊感と共に漂う気持ち良さを覚えました。

深い質感と気持ちの波を書と言う精神が表れやすい中で、まっすぐ向かい会い心と対話した意識がしっかりと表されています。
この書に如月の詩を付けさせて頂けるなんて本当に嬉しく詩を作っている中でとめどなく興奮と厳粛な気持ちを教えて頂きました。

なお、恥ずかしいですが雫様の書に如月の詩を付けさせて頂けたので下記に載せさせて頂きます。
雫様の書と如月の拙い詩を見比べ新たな世界を感じ楽しんで頂けたら幸いです。


◎流砂

さらさらと
さらさらと
零れ出したるは
煌く想い

空虚な
世界より
流れ出したるは
水に似た
形無き想い

燃え上がる様な
砂上の楼閣に
一雫の泪

後を惹く
忘れられぬ想いから
崩れだした木目模様
その隙間から感じ出した
幼い記憶に隠したる
微熱に似せた
勇躍する
命の迸り

(願いが流るる砂の上
 想いが叫ぶ闇の中
 消えかかる決意から
 流した泪の音と数だけ
 そっと溶いては零す
 魂の崩し字)

さらさらと
さらさらと
願いが流れぬ様にと
繋ぎ止めたのは

繋ぎ止めたのは
一握の砂が
落ちる瞬きと
緩やかに光り
優しく伸ばした
流砂な想い

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