貴女は常に優しかった
でも決して表立って
その優しさを振るう事は無かった
いつも遠くで見守り
いつも柔らかい雰囲気を
どんなに時代が変わろうとも
どんなに時間が過ぎようとも
貴女は常に厳しかった
でも決して揺るがず
その厳しさで威圧する事は無かった
いつも近くで道を示し
いつも真面目に誠実に
どんなに人間の心が流れようとも
どんなに嘘が真実に変わろうとも
全て日常の節目に一時の
安堵を与えてくれるように
食後の一啜り 寝る前の一啜り
心に安堵と冷静を
誰もが飲み干す
茶のように
貴女の愛情さりげなく
日々の中では陰役者
しかし決して
飽きさせぬ
茶の花が静かに花開く日
貴女は強く産声を上げ
時折見せる淋しげな
嗚呼 その物憂げな表情もまた
どこか静かに流して
貴女の優しさ
このまま失わず
誰もが飲み干す
茶のように
ゆるやかな人であれ
◆この詩をたまき淑女に贈る◆●一つ上に戻る●