◎詩の化け物に憧れて

     命を震わすはずの
     言葉を捜して

     創っては壊し
     壊しては創り
     賽の河原の赤ん子が
     石を積み上げ壊すよに

     気まぐれで創ったり
     真剣に詠んでみたり
     平安時代の貴族達の
     煌びやかな謳遊びを興じるように

     見つからないのは
     (たぶん輪廻を百億繰り返しても)
     渇望が潤わないから
     (抜け出せない迷宮の始まり)

     名も無き詩人が言う
     詩の化け物になりたいんだ
     体中に詩を書き巻くって詩の化け物になり
     言葉を操りたいんだ と

     終わり無き旅の中
     腐るほどの言葉を用いて
     自己証明と自己満足を
     精密機械の如くに
     繰り返し

     私は 詩の化け物になれるのだろうか
     飽くなき探求と
     深淵にも似た挫折の狭間で

     創っては壊し
     壊しては創り
     (無間地獄の思慮深い輪廻の真似事)
     気まぐれで創ったり
     真剣に詠んでみたり
     (酒の悪戯にも似て快楽の王道)

     命を震わすはずの
     言葉を捜して

     詩の化け物に 私は
     なれるのだろうか

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