古傷にだって
美学はある
悲しみを超えた夜のすがすがしさだとかね
けっこう苦しかった事は覚えているけど
過ぎてしまうと良い思い出
振り向く事など煩わしかったけど
忘れたくはない
冬の北斗七星が綺麗だった事も
折れた翼は消えたけど
明日を歩く足は手に入れた
涕く夜は過ぎたし
疼く夜も過ぎたから
やっと花の色が鮮明と見えるようになった
きっと心の傷は癒えた
でも古傷は残る けど
負い目に感じる事はない
だって
古傷には
美学がある
悲しみを超えた夜のすがすがしさだとかね
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