◎プログラマの憂鬱

021 2004/04/23

 少し前だが私のいる部署で歓送迎会を行った。まぁ送られる人はいなかったので歓迎会になったんだが。まぁそんなくだらない一口メモは置いといて、と。

 和やかに会が始まりそれとなく酒も食も進み、まったりと私はしていた頃、私の横にはその部署の一番偉い人と数人の若い人達が集まって何やら神妙な面持ちで話し合っていた。私はそう言う話しを聞くのが大好きで、少しだけ首を突っ込んだ。>おいおい。

 若者A 若者B 偉い人 わたし

 若者A「いまさらもう一度やると、上(社長とか取締役クラス)に言えますか??」

 若者B「だから、コソっとやるしかないのかと…」

 偉い人「まぁまて、とにかくどうしてそうなったんだ?」

 若者B「他の部署から回って来たプログラムを扱ってもう1年になります。しかも
     そのプログラムは、さらに昔に作ったプログラムを元に作った奴なんです。」

 若者A「そして大元のプログラムを作った人にバグとかその他諸々を聞こうとしても
     『え〜今更?もう忘れちゃったし、俺の手から離れたから関係無いもんね。
      しかも既に新しくプログラム走って(動いて)んだから、今更次郎でしょ?』
     と取り合ってくれませんし、そのプログラムを元にした今のプログラムも、
     既にこちら(つまり今いる私の部署ね)に丸投げされて、渡してきた部署も
     ノータッチ。」

 若者B「もっと言えば、時間精算で行っても、軽く一億円は超えています。そして上司
     (今、この話しを聞いている偉い人)を含めて上の人達はすでに終了に
     なるんだろ?としか認識されていませんよね?」

 若者A「どこの部署も、とりあえず作ってしまえばいいと言う、やっつけ仕事で
     出来上がったプログラムをこちらに押し付けて、そしてバグや機能面で
     使いにくいと出ればすぐ、直せやれなおせそれ直せと急き立ててくる。」

 若者B「変更に変更を重ね、もうどうしようもない所まで来てるんです!!しかし
     上の人達はさらにその上に人に「一億円かかってるけどやりなおします」
     なんて言う勇気はきっとないし…」

 まぁここまでの話しをまとめると、A部署が作った全社員が使うプログラムを作った。しかし時代はグローバル化社会。ネットで管理するぞ的な社会においてアクセスで管理するやり方は古いと一番偉い人から鶴の一声でB部署が新たなにプログラムを作り上げた。
 しかしもともと問題のあったA部署プログラムを真似て作ったので、他部署からのクレームや要望事項があったにも関わらず時間的制約でできないと、強引に開発し、「なんちゃってA部署プログラム」ができあがったわけさ。
 そしてB部署自体の存在自体が、プログラム開発ではなかった為に、今私のいる部署に「あとはよろしく頼んだにょw」と丸投げ状態で、とっととトンズラwま、欠陥があると知っていて使い続けてきたから、肩の荷を早く下ろしたかったんだと思う、B部署は。
 さて困ったのは私の部署のプログラマ達。今まで何も言わず、ただ、「変更してよ。」「こういう風に作ってよ。」「早くしてよ!」といろいろ言われていたのだが何も言わずにただひたすらに修正・開発をしてきたわけ。
 でももう修正を重ねられないくらいの所まで来て、さぁどうしようと言う所に、偉い人の混ざった飲み会が行われたわけさwこりゃぁもういろいろ言う絶好のチャァ〜〜〜〜ンスwそしてがんばってるわけ、若者AとBは。

 さてAとBの運命はいかに?!>って他人事だからこう言えるんだろうなぁ^^;

 偉い人「しかしなんでそうなる前に言わなかったの?」

 若者A「それはもう初期の頃からグズグズなものでした。しかし私たちは何も言えず
     従うしかなかった。」

 そりゃぁそうだなぁ。二人がこの案件を任された時は、配属されたての新人君だったもの。まだ上にたて突けるほど、会社の暗黙のルールも世渡りも知らないからねぇ。

 若者B「確かに私たちが何も言わなかったのはいけないけど、丸投げしてきた
     B部署だって…」

 わたし「おいおい、責任の擦り合いはこのさいやめておいたほうがいい。
     泥仕合にしかならないよ。「渡した時の話し合いでは何も言ってなかった
     じゃないか」ってさ。」

 若者A「まぁ確かに…」

 偉い人「じゃぁ君たちはどうしようと思ってるんだい?」

 若者B「ですから、もう一度やり直しを認めてもらいたいんです。」

 若者A「しかしすでに一億も使っている案件。。。上に言うのも勇気がいるはずで、」

 若者B「もしだめだったときは、こっそりプログラムを全部作り直すしかないと、」

 若者A「思っています。」

 しかしなんて絶妙なタイミングで交互に発言しているんだろう。まるでAとBが打ち合わせして話しているみたいだ^^;ま、それぐらいもう既にヤバイ所まできているんだなと伝わってくる。

 偉い人「まさかそんな事になっているなんて…。私も始めて現状知ったが、既に完了に
     近いのかと思ってた…。」

 若者B「それがもっとも大変な状況なんです。丸投げしてきた部署は知らん振りを
     かましてるし、上の人は完了するんだなって認識で毎日見ているし。
     私たちは日々、毎日に動かさないと行けない時間的なものもあるし、
     こうしたい、ああしたいなんてなかなか言えないんです。」

 偉い人「すでに一億か…。」

 若者A「やはり難しいですよね…やりなおしは…。」

 偉い人「まぁけど何かしらの手を打たないといけないまで来ているんだろ?」

 若者B「ええ。そうです。」

 偉い人「ふ〜む」

 馬鹿 「なにやってるんれふかぁ〜〜〜げへへえへ。飲みましょうよぉ〜〜〜」

 そして話しは、私の馬鹿な直属の上司がその偉い人に絡んできて(絡み上戸なんだよねぇしかも説教上戸もあるんだよ…何度飲みに付き合わされて意味なく説教された事か)うやむやのうちに終わった。

 若者A「ある意味デスマーチだよ。もう一年もこんな事をやらされてる…」
 若者B「今の訴えが聞き届けられたらいんだけどなぁ…。無理ならこそっとか…。」
 と肩を落としながら飲んでいる。

 私はプログラマではないがきっとこういう事はとりわけ非日常のことでなく日常的な事なのかもしれないと思った。
 うまく情報が伝わない稚拙な会社の構造が招いた、最下層を支える社員の嘆き、悲しみの声。この件さえ乗り越えられれば彼らの自信に繋がるものかもしれないと思った。
 そして早くこの案件が上手く片付き、若者の顔に笑顔が戻る事を心から願う。最近どんどん、どんより顔になっていってるんだよねぇ〜…。

 今日は少しどんよりとした雑文になってしまったなぁ。ま、こんな世界もあるんだよと、伝えたかったのかもしれない。

 *追記:なんとか上の偉い人に話しが通じて、うまくいきそうみたいだと、つい先日聞きましたw

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