◎恋愛ミッションインポッシブル

081 2004/10/11

 ある友人に「恋人が欲しいのだ。誰か紹介してくれ。」と、俺は静かに打ち明けてみた。まぁほんの冗談だ。恋愛にからっきしな俺である。身分は弁えているつもりだ(苦笑&泣)
 するとその友人は「よしお前にお似合いの飛びっきりの女性を紹介してやろう。」と、鼻息ぶひょぶひょ言わせ、とんとん拍子で決まっていく。やっぱり持つべき者は友だな(喜)心から有り難いと思ったぞよ>友よ。

 相談してから2日後の土曜日。俺はとりあえず一張羅を着込み、髪の毛を整え髭を剃り、これから会うであろうまだ見ぬ飛びっきりな女性を駅前で待つ事にした。待ち合わせの10分前に。
 そわそわする。当たり前だなにせ飛びっきりの女性なのだ。心臓は激しく脈打つ。
 待ち合わせの5分前にその女性が現れた。友の言った言葉に嘘はなかった。芸能人に例えると山田花子似。。。ウソウソこれはしょーもない嘘だ(笑)芸能人で例えると、山田優似のモデル系であった。その時俺の脳裏によぎったのは「美女と野獣」だ。アホである。

 とりあえず軽く自己紹介をし、近くのレストランへ。勿論ファミレスな訳があるまい。この日の為に飛びっきり上等なランチタイムを予約しておいたのだ。偉いだろうと俺は俺を褒めてみたりした(苦笑)。なにせとびっきりの女なのだからな。
 彼女を席へ促す。勿論椅子に座って何も見えないような野暮はしない。なにせリサーチ済みの店だ。座って景色が綺麗な方へとエスコート。しかしお互い緊張しているのが手に取るように解ったので、ここらで一つ笑いを入れようと俺は意を決してこう言った。
 「その椅子に座ると景色がとてもいーっすよw」
 彼女は一瞬固まる。が気にしない。たぶん笑いを入れて気を紛らわそうとした事に気付かなかったのだ。とりあえず1テンポ遅れて笑ってくれた。多分おっとりしている人だろう。

 そんな状況を察して颯爽とウェイトレスがやってくる。勿論メニューを届けにだ。それ以外はお変わりする時意外来る訳があるまい。2人で何がいいだろうと少し和む。やはりさっきのギャグが聞いたのだ。そしてさらに俺は打ち解けようと笑いをいれる。
 「このスズキのムニエルかなりいらしいよ?」
 「どうして?」
 「ん?近所の鈴木さんに聞いたからさ」
 きまった!これぞ女性を和ませる最高のギャグ。俺は自分のギャグセンスに酔いしれさらに続けてこう言った。
 「そだそだ。このワインさ、どこで作ってるか知ってる?」
 「外国かなぁ?」
 「いやいや、わいんちw」
 つつがなくこれも決まった!どうだまいったか!ワインだけにわいんちだ!もう彼女はめろめろなはず!!彼女の顔をそっと見てみる。。。かわいいwwいや、そうじゃなくさっきのギャグの得点を知るには彼女の顔を見るのが一番だ。彼女の顔は少し微笑んでいる。よっしゃぁ〜〜〜!!俺のチョイスしたギャグに間違いはなかった。

 俺は肉が好きなので男らしく牛フィレ肉200gをオーダー。暫くお互いの料理が来るまで談笑する。しかし遅い。彼女も俺もお腹ペコペコリンだ。彼女は「料理遅いね」と言い始めた。いけない。これは明らかに待つのに飽き始めたサインだ!俺は頭を使った。勿論今までに使った事が無い程に。そしてある言葉が閃光の如く頭を駆け巡った。そしてすかさずそれを使った。
 「俺らを待たせる肉なんて、なんてにくいやつだ。」
 もうばっちりである!これで彼女はなんてユーモアのある人だろうと惚れるだろう。また彼女の顔を少しチラ見する。チラリズムの良い使い方だ。うん。
 彼女は少し俯きながら「そうね」と一言返してきた。ああ、きっとあまりに面白すぎて吹き出すのを堪えているんだなと俺は感じた。間違いない彼女はおっとりでお淑やかな女性だな。ますます好みだwww

 そして滞りなく食事を終え休憩しているとデザートが来た。
 彼女は蜜柑ムースのプリン。俺は洋梨のタルト。かなり今までのギャグと物腰の柔らかい俺の話術で彼女はメロメロ(のはず)だ。しかしこのままでは面白い人で終わってしまう!ここは止めの殺し文句を言わなければ!!!

 「もう君無し(梨)じゃだめなんだ。このままじゃ俺の人生が未完(蜜柑)で終る。
  どうか俺とお付き合いを前提として友達になってくれないか?」

 言えた!人生最高のギャグ&スィーツでメローでキッチョでハイソな殺し文句!もう彼女は俺にぞっこんぞっこんだwもうもしかしたら結婚までいって薔薇の道爆進だwどうだ!
 しかし次の瞬間彼女の甘い声の変わりに冷たい水を頭からぶっかけられた!
 「誰がさ○いギ○グ連発する奴なんかと付き合うか!一昨日出直して来い!!ば〜か!」
 俺は面食らった。。。あんな静かで優しい彼女がこんな事するなんて。何がいけなかったのだ?肝心な部分がまったく聞こえなかった…。

 彼女は颯爽と俺を置いて店から出ていった。立ち去る姿も美しい。そして俺の恋は終わりを告げた…。
 と悲しみながら目を開けた。そこは、こ汚い俺のベットの上だった。
 ああ夢だったのか…友からの誘いも楽しい食事もそして山田優似のあの子も…。

 ところで、俺は考えた。何でふられたのかを。
 それはきっとギャグがいけなかったのだ!>をい!
 もっと素敵で最高のギャグを作らなきゃ!>いいかげんにしろ!
 そしたら現実でも彼女が出来るのではないか?>ちゃうちゃうちゃうねんて!
 もっときっとギャグのセンスがよければ、彼女なんてざくざくできるんだw>こら!
 明日からギャグのセンスをあげるためしっかり練習をしていこう!!>好きにしろ…。

 しかしなんだあのギャグの選考基準。もうちょっと夢の中でまとなギャグ言えないのか?>問題はそこか!!!????
 >ってこんな思考じゃ彼女なんてできるわけ絶対ない!!ちくしょ(苦笑)…。

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