◎醤油ご飯VSソースご飯B

129 2005/05/18

※前回までのあらすじ※
  ソース男は如月の創り出した醤油ご飯を撲滅するべく、如月のいる階の食堂に
  一人で乗り込み存在をアピール。如月もそれに応戦するべく体を張って醤油ご飯の
  素晴らしさをアッピールするべくソース男の食堂へ赴成功を収めた。だがしかし…。


 ソース男は策士であった。如月が他の食堂で食事をした罪の為、一人寂しく自室で寂しく食事をしている間に醤油ご飯シンパの仲間たちを次々とソースご飯シンパに変えていった。
 「醤油ご飯の頭がいないのにお前らががんばる理由がどこにある?今なら何も言わずに、
  迎えいれてやるぞ?今の時代、洋風に染まらなければカッコ悪いぜ?ちょんまげな
  世界で何をお前らは求めるんだ?若いのに爺臭い飯で満足なのか?目を覚ませ!
  老いぼれの匂いで行きたいのか若者達よ!!!!」
 そう、醤油ご飯シンパは若者中心である。カッコ悪いと言われれば靡かないはずが無い。3日の布教活動で、30人の醤油ご飯シンパはソースご飯シンパへと生まれ変わっていた。

 如月は1週間の罰を終え食堂に顔を出した。しかし30人の醤油ご飯のシンパ達は殆どがソースご飯シンパになり如月に見向きもしなかった。孤立になった。少しずつ仲間を増やし醤油ご飯の素晴らしさを時間を掛けて説いた仲間たちの顔はみな、ソース顔になっていた。ただ立ち尽くすしかなかった。今までの結束はなんだったのだ?あれだけ美味い美味いと、泣きながら食った喜びを忘れたのか?青の時の感動を分かち合った仲間たちよ、今一度目を覚ませ。しかし彼等の目は如月の姿なんて捉えていなかった。そしてソース男は満を持して如月の前に現れた。
  「ちょっと出てくるのが遅かったな、醤油男。もうお前の居場所はないぜ?やはり今は
   洋風の時代だよなぁ?いつまでもかび臭い和風にすがっていても意味ないよなぁ?」
 口々に、お〜と同意の声が上がる。如月は形成を立て直す為に一端引くしかなかった。

 このままでは終わらさない。絶対ソースご飯を撲滅してやるんだ。子供心にリベンジを、誓ったのであった。そこまで如月の心は追いつめられていたのだった…。

 さて、少し閑話休題。
 何故、下手物食いでここまで熱くなるのか、改めて話しておこう。病院に入院しているとどうしても楽しみになるのが食事。入院した事のある人なら、充分理解してくれるはずだ。白い壁に白いシーツ。そして白い天井。若い我等は暴れる事もできず遠出する事もできず、ただただ学業が終わればベットの上だ。自然と食事が楽しみになるのは至極当然であろう。しかしだ、その楽しい食事の時間に不味いご飯が出てきたら…もうそれは地獄。だからこそここまで食事に執着し熱く発展していく。端から見ればそれは滑稽にしか見えなくとも。
 では、以上の心理状態を踏まえて続きをどうぞ。

 さて、どうしたものかと考える。奴と対等に渡り合うにはやはり同じだけのシンパを揃えなければならない。しかし今や醤油ご飯シンパは3人。それも何の力も持たない、御老体の様な仲間だ。しかし無下にはできないのだ。彼等は醤油ご飯誕生の時に沢山の力を貸して、しかも広めてくれた大切な仲間たちだ。如月ができるのは彼等と醤油ご飯の血筋を絶やさす守るくらいしかないのだ。

 するとその御老体が言った。
  「風の噂で聞いた事があるんだけど、別棟にはマヨネーズご飯なるものを作り、
   一大帝国を気付いている奴等がいるらしいよ。」
 ん?マヨネーズご飯?マヨネーズご飯。…これは使える!有益な兵法思い付いたぞ!少し汚いが、今はそんな事を言っていられない。醤油ご飯存続の為に今はどんな手でも、使っていかなければならないのだ。そう熱く語っていると、3人の醤油ご飯シンパは目を輝かして手を取って頷いた。一緒に醤油ご飯を存続させましょうと。やはり持つべきものは友達だ。

 ソース男よ、お前は本当の孤立をまだ知らない。今こそこの恨み晴らさでおくべきか!!醤油ご飯は永遠不滅なのだ!!和風は伊達に日本全体に君臨している訳じゃないぞ!!

 次回はいよいよ、マヨネーズご飯達を巻き込んで三つ巴のどろどろの戦いが始まる!!

                        醤油ご飯VSソースご飯Cへつづく!

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