◎日本わりと昔じゃない話『チョコケーキこわい』 2万HIT雑文
144 2005/06/22
◆うさぎびと様の創作雑文
:挿入文章A 「和風」「洋風」「小説」「ショートストロベリーロングケーキ」
「冬」「夏」「金網」「心霊体験」「奇奇怪怪」「ヤシの実」
:挿入文章B 「D会話を「」を使って挿入する。」
「C物音を入れる(例:雨のザーザー 動物の鳴き声)。」
*注意*
この雑文には暴力シーンやグロテスクな表現が含まれております。
昔話ちっくな語りだからって、ちみっ子に見せちゃいけません。コレ見て何か起きてもワタクシは一切の責任を負いかねます。どーしてもって言うならやくもはんが代わりに罪を被ってくれます(笑)
あるところに、小さなお菓子屋さんがありました。
そのお菓子屋さんはおまんじゅうの隣りがガトーショコラでその後ろが杏仁豆腐なんて風に和風洋風中華民国ごちゃまぜでものすごく節操がありませんでしたが、味はよかったのでそれなりに繁盛していました。
お店では、腕はいいのに素でカレー粉を混ぜこんだケーキを客に売ろうとする、なんとかは紙一重を地でいく彼と、顔はいいのに手が早いコブシも速いちょっちDVで猟奇的な彼女の二人が、毎日汗水と1L/day の彼の血液を流しながら働いていました。
ある日の事です。二人はとあるお客さんに「ビックリするようなケーキ」を作ってくれと頼まれました。子供の誕生パーティーに出すそうです。いつもならそういう注文はうけないのですが、ぶっちゃけギャラが高かったのでやってみることにしました。
約束の日の前日、彼はケーキを試作して彼女に見てもらいました。
「なんと!ケーキを食べると中に掌編小説が!!ショートショートストロベリーショートケーキ! どうよ?」
彼女がケーキを切り分けると、中には確かに小説が入っていました。彼女はその本を手に取ると、本の角を思いっきり彼の眉間に叩き込みました。ガゴンッと頭蓋骨の軋んだような音がしました。
「本が入ってちゃケーキが切れない!本がべたついて読めない!!しかも本が『雀鬼50番勝負』!!!おまけに本の形にケーキ作ったからこれじゃショートショートストロベリーロングケーキだっての!!!!」
彼女はそのままマウントポジションで彼を殴りつづけました。本と彼の顔がだんだん歪んでいきました。
「じゃあ今度はどうだろう?こっちの方が自信作なんだ。」
次に原形をとどめない顔の彼が差し出したケーキには、中央から何か変なものが突き出ていました。
「名づけて、冬虫夏草ケーキ!!どう?カラダに良さそうでしょ?」
「気持ち悪い!!!」
彼女が繰り出したストマッククローがグチャグチャっと彼の胃に物理的に穴を空けました。
「で・・でも、食べればカラダにいいのはホントだよ。」
「だったらオマエが食え!!」
彼女はよろめいている彼の顔に、おもちを焼くために買った金網を叩きつけました。
「じゃあ、心霊体験もできる奇奇怪怪エクトプラズムケーキなんて・・・」
言い終わる前に、彼女はシャイニングウイザードで彼の顔面を粉砕していました。
そうこうしているうちに、真っ赤なトマトの潰れたようになった彼は動かなくなってしまいました。彼女は困りました。なぜなら彼女は料理がゼンゼンできないのです。なんてったってヤシの実も素手で潰してしまう怪力なのですから。けれど彼の作ったケーキは全部彼と一緒に粉々にしてしまいました。
店じゅう捜しても、あったのはスポンジケーキ1ホールだけ、他に材料も何もありませんでした。彼女はうんうんとうなって、どうにかしようと考えました。その時、すみっこに置いてあった四角いものが彼女の目に止まりました。
「そうだ!これを使えば!!」
次の日、お客さんのところにケーキが届けられました。それを自分の子供の所へ持っていって開けると、中にはとてもキラキラしてきれいなチョコケーキが入っていました。
「うわぁ、おいしそうだなぁ。お父さんありがとう!!」
すぐに切り分けてもらって、子供はぱくっとそれをほおばりました。パリパリッとしたふしぎな食感でした。
ところが、二口目を食べるとなにか大きなモノが口に引っかかりました。子供はきもち悪いのですぐに吐き出しました。すると、そこにあったのは・・・
「コレって、○キ○○のあたまじゃないか!!!!」
なんと、彼女は台所にあったアレから○○○リをとりだして、粉々にしてケーキに降りかけていたのです!!!!!
それからというもの、その子供は見るだけで泡をふいて倒れるくらいチョコケーキがこわくなったのでした。
おしまい。