◎“世界初”

156 2005/07/27

 “世界初”と言う言葉がある。何も殊更に取り上げるほどの変った言葉ではない。しかしそれは確かに存在する言葉だ。だからって珍しい言葉じゃない。それは確かなことである。
 今日は“世界初”発見研究所の所長である、世界初(せかい はじめ)所長95歳による、今まで確保し補完してきた“世界初”な物を少しずつ紹介いたしましょう。

 さて、ところでどういう場面でこの“世界初”と言う言葉は使われているのか?
 おおよそビール製造方法だったり、女性の化粧品やエステなど売り上げを伸ばしたい時にそれらは使われているはずだ。例えば…、

 “世界初”の生絞り。“世界初”の化粧品。明らかにこう謳えば、消費者は何事?と気にさせて買わせてしまう魔法をかける。販売だって上々になるだろう。しかし良く考えてみて欲しい。この“世界初”とは簡単な事にでも多用できてしまう。つまりただの枕詞位にしかその言葉の価値は、昨今の消費分の中では落ちて来ていると言っても過言はないだろう。

 と言うわけで今日は、本当はすごい“世界初”を揚げ連ねてみようと思う。

 “世界初”の氷結絞り。氷結とは水が氷になること。つまり気温や室温が極端に下がって水が氷りになるのだ。それはごく自然なことである。しかし有り得ない。水が氷りになってさらに絞ってしまうのだ。どうやって絞るのか?それは企業秘密であり私の考える想像を、遥かに凌駕することだけは間違いない。何故ならば水を氷にしながら絞っちゃうのだから。これはまさしく“世界初”と言ってもいい。

 “世界初”の脂肪吸引。脂肪吸引とは例えば二の腕やぽっこりでたお腹などに付く美容をこよなく気にする人間にとっては最大の的である脂肪分の固まりである。ああ、書いているだけで私のお腹回りに脂肪が集まってきそうな予感である。おー怖い。そしてその脂肪を、人工的に吸い取り無くす。それが脂肪吸引。さて、しかしだ。“世界初”の脂肪吸引と言うくらいだからきっと機械は使わないだろう。考えて見たまえ。なにせ“世界初”なのだよ。機械を突き刺してゴーっと吸い取るだけでは芸が無い。きっと“世界初”と付くぐらいだ、おおよそ阿波踊りしながら念力で吸い取るとか、120歳のおじいちゃん医師が患部に手を宛て、宛てた手の震えによる振動にて脂肪を拡散してしまうとか、それはもう我々の思考の範囲外で行うのである。すごいじゃないか。

 でわ、もっともっとすごい“世界初”をご紹介しよう。

 “世界初”のミーアキャット。ほらあの砂漠地帯で群れで過ごしながら常に住処の回りで立ち上がって敵が来ないかどうかを見張っている、あの変った生き物である。動物園でも、動物関係のテレビ番組でもお馴染み。しかし“世界初”なのである。たぶん見張りの仕方が従来のミーアキャットとは違うはずである。考えられるのは仲間を集め組み体操をしながら見張るとか、または従来の立ったままから寝そべった状態での監視かもしれない。いやいやもしくは監視カメラを使う人間の知能を遥かに越えた最強のミーアキャットかもしれない。末恐ろしいのである。人間も猫に負けるのだ。何せ奴等は猫科だ。猫科だけに猫の手も借りたい。と人間に言わせてしまっているくらいだからな。あー怖い。

 “世界初”の福原愛ちゃん。ああ、もうやばいね。あの天才卓球少女の愛ちゃんである。従来の愛ちゃんがペン型ラケットで卓球のラリーをするがこの“世界初”の福原愛ちゃんはなんと箸で卓球のラリーをしてしまうのだ。天才を越えた天才である。もう誰も勝てない。そしてスマッシュを決めると「きょ〜〜!」と言ってしまう。叫び声も“世界初”である。もはや誰も彼女に勝てないのである。奇声…もとい、喜びの雄叫びを聞く度に相手の選手は生命力を吸い取られ、戦う気力が削がれて行くのだ。恐るべし“世界初”の福原愛ちゃん。

 さぁ〜もっと続けていってみよう!

 “世界初”のカバディ。もはや誰の記憶からも消えつつある、あの変った動きの競技だ。しかしこの度“世界初”研究所によって見つけ出されたのがこの“世界初”のカバディだ。本来なら「カバディ」と息の続く限り叫びながら、相手に触って得点を競うのがルールだがこの“世界初”のカバディは一味違うのである。みんなそれぞれに腹話術用の人形を持って腹話術で「カバディ」と囁きながら震えるのだ。ただひたすら震えるのだ。選手の近くにはその震えの回数を測る野鳥の会の会員達と、囁き度を吟味する音研の偉い人が集音マイクを持って待機しているのだ。そしてどちらが、素敵な囁きと震える回数が多いのかを競うのである。もう何が競技としての本質なのか全く解らない状態である。カバディカバディ。

 “世界初”の山田優。これはすごいのである。現在テレビで出ている山田優を百億倍も、素敵なスリーサイズと顔と性格を兼ね備えた女性の中の女性である。“世界初”の山田優なだけに本家の山田優もタジタジである。ただ余りにも美しすぎる為、世界各国が彼女を取り合うとんでもない戦争をし始めるので、秘密裏に原生林の奥地から“世界初”の山田優を、確保し今は地下200階の所で鎮座ましましている。いや〜素敵な人に出会えましたなw

 そいじゃオマケに最後に、どど〜んとw

 “世界初”の如月八雲。もうこれはね、すごいですよ。いるだけで日本沈没世界破綻金融業界大ダメージ。メテオ百連発よりも激しい我侭を出し捲くるため、この世界で唯一の暗殺計画を企てられた最強の危険人物である。取り扱いに注意である。少しでも機嫌を損ねるとそれはもう有り得ないくらい緑色の汁を飛ばしながら目に留まる全ての物質を食い散らかしそして環境破壊を企んでしまうのだ。百害あって一理無しなのである。しかしそんな彼には最大の弱点がある。それは手料理と女性の微笑みである。彼が暴れたら手料理と微笑みを、与えておけば借りてきた猫並みに静かになるのである。世界の七不思議並みに不思議だ話。誰か女性の方でこの“世界初”の如月八雲をもらってやる奇特な方はいませんか?

 とまぁ世の中には“世界初”を誤った使用や知られざる使い方が実は星の数ほどあったりするのだ。それを知らずして“世界初”を使うととても痛い目にあう。みんな気を付けて、この世を渡りきるのじゃ!!と“世界初”発見研究所の所長である、世界初(せかい はじめ)所長95歳が言っておられた。新世紀が始まってすでに早5年。まだまだ世の中には素敵な事が沢山眠っているのだ。どうか努々忘れる事勿れ。

PS “世界初”の如月八雲、誰かもらってやってくれませんか(哀願)?>見苦しい!!

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