◎恐話百鬼夜行 第二十五夜
165 2005/08/18
◆『ネットの暗部』 投稿者:U・Jさん 職業:学生 年齢17歳
えっと、みんなインターネットはしてるよね。これを見てる皆は、絶対利用してるよね。今じゃ世界中つながってて、日本国内だけでも全部の情報を見るのはまず不可能。世界中となるともう100%無理だね。一生かけても多分。
だから、ちょっとおかしな場所に繋がっても、おかしくないとは思わない?もしかしたら霊界とかにもつながるかもしれないよ。いや、冗談抜きでさ。
これから話すのは、そういうネットのおかしな場所につないでしまったやつの話だよ。
僕のクラスメートに引きこもり気味のやつがいてね、めったに外に出てこないんだ。で、そのクラスメートが何してるかって言うとネット。インターネット。
で、そいつは普通に学校に通ってるんだけど、帰ったらずっと家に引きこもって、ネットばっかりしてるわけ。休みの日はずーっとネット。立派なジャンキーだよね。それで、怖い話っていうのはそいつがあることを検索してる時に起こったんだよ。
ほら、検索エンジンってタイトルがずらーっと出て紹介文が書いてるよね。その出てきたタイトルが「好き好き好き好き」、紹介文は「あなたが好き・・・」。電波入ってそうで、危なげだよね。でも、やっぱり興味があるから見てみたんだよ。
そうしたら、一瞬フラッシュしてにやりとした女の顔が映ったんだ。でもそれ一瞬の事。すぐ消えて「ページを表示できません」の表示が出たんだ。怖かったし、何も無かったからすぐブラウザのバックで戻ったんだ。
その日からおかしなことが始まったんだ
「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き…」ってメールが毎日きたり、
勝手に銀行口座から五万ほど引き落とされてたり…。そいつはハッキングされたのかと、思ったんだって。ちょっと困るよね。生活とかいろいろあるだろうしさ。
学校でそいつに会うとさ、どんどん見るたびにやつれていくんだよ。ストレスだろうね。それでこのことを僕に相談してきたんだ。あの「好き好き…」っていうの関係してるんじゃないかって。きっとそのHP見たやつのIP抜いてクラッキングしてるんじゃないかって。
で、ついに決定的な事件が起こったんだ。そいつのところに夜中電話がかかってきてね。受話器をとると向こうから単調な笑い声が聞こえてくるだけ。悪戯と思い怒鳴りつけたら、
「ひどい・・・なんでそういうの?」
「お前になにを言ってもいいだろ!このクラッカーめ!」
そしたら向こうはこういうんだ。
「・・・私をだましたのね、五万円もする高いネックレス買ってくれたのに、私は毎日
あなたにメールを送り続けたのに・・・。」
「お前がやったんだな!どれもこれも皆お前が!もう我慢なら無い!通報するぞ!」
すると、あっちは機械みたいな冷たい声になってこういうんだ
「もう許さない・・・許さない・・・ゆるさない・・・ユルサナイ・・・
ユ・・・ル・・・サ・・・ナ・・・イ。」
次の日、そいつは自殺したよ。多分耐えきれないことが起こったんだろうね。まっ、僕には想像つかないけど。でも、皆も気をつけてね。皆が繋いでいるこのネット空間には、まだ知られて無い部分があるかもしれない。いや、かもしれないじゃなくて絶対あるね。
少なくても僕はそう思う。
アングラなんてものじゃない恐ろしいものが…。
そういうネット上の歪んだ空間にそいつは入っちゃったんだろうね。
この広すぎるネットでは、幽霊もいるかもよ・・・。
これで僕の話は終わりだよ。それじゃ、そろそろ君を消そうかな。・・・え?いやだ?
駄目だよワガママ言っちゃ。だってここに繋いだの君だもの。しょうがないよね?
君は消える運命だもの。あ?パソコンの電源切っても駄目だよ。いい?
絶対逃げちゃ駄目だよ?もし逃げたら?そうねぇ・・・逃げたら・・・逃げたら・・・
逃げたら・・・絶対許さない・・・許さない・・・ゆるさない・・・ユルサナイ・・・
ユ・・・ル・・・サ・・・ナ・・・イ・・・