平成15年(行ウ)第373号

損害賠償(住民訴訟)

 

 

 

 

 

 

 

日時・平成17年9月6日 (火曜日)

東京地方裁判所 第606号法廷

午後2時30分〜4時30分


証人尋問
被告側証人:鈴木勝(目黒区新庁舎担当部長。現在、目黒区都市整備部長)
原告本人尋問
原告:須藤甚一郎


○裁判所職員 起立してください。

     〔総員起立〕

○裁判所職員 平成15年(行ウ)第373号。

○大門裁判長 それでは、本日は、証人の鈴木さんと、それから原告ご本人にお尋ねするという段取りでございますが、それでは、順番は、まず証人からということで、鈴木さんからお尋ねしたいと思います。

     〔鈴木証人、入廷〕

○大門裁判長 それでは、最初にご確認いたします。お名前をおっしゃっていただけますか。

○鈴木証人 鈴木勝と申します。

○大門裁判長 現在、ご職業は。

○鈴木証人 地方公務員です。

○大門裁判長 目黒区のですね。

○鈴木証人 目黒区です。

○大門裁判長 それでは、ただいまから証人としてお尋ねをいたします。

 最初に、嘘をいわないという趣旨の宣誓をしていただきます。これに反しますと、証人の場合には偽証罪に問われることもありますので、ご注意願いたいと思います。

それでは、ご起立いただいて、宣誓をしてください。

○鈴木証人 宣誓。良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います。鈴木勝。

○大門裁判長 では、まずご着席いただいて、最初に2、3、注意事項を裁判所からいいますので、お聞きください。

 今から申し上げる注意事項は、原告の須藤さんご本人、後ほどお尋ねしますが、そのときと共通ですから、よくお聞きいただきたいと思うのです。

 まずは、こういった場でご発言になるということは余りないと思いますので、緊張されていると思いますけれども、できるだけ肩の力を抜いてお答えいただきたいと思います。

 質問は横のサイドから来ますけれども、お答えはできるだけ前に向かってお答えください。マイクも前にありますので、よろしくお願いいたします。

 質問に対しては、できるだけいわゆる1問1答式でお答え願えればと思います。

 質問に対して、いろいろ自分の方でおっしゃりたいことがあって、だんだんとそれてしまうと、問いと答えとの関係が非常にわかりにくくなりますので、その点はよろしくお願いしたいと思います。

 もう1つ、これは当たり前と思われるかもしれませんが、問いが終わってから答えていただきたい。だんだんと慣れてきますと、日常会話のように、相手方がいい終わらないうちに答えてしまうということがございます。そうしますと、質問の趣旨がわかりにくかったり、あるいは、こちらの方で速記をとっておりますけれども、そのときに、かぶさってわかりづらくなったりしますので、その点をよろしくお願いいたします。

 それからもう1点、これはあなた自身、証人ではないのですけれども、きょう、須藤さんが、後でご質問をなさると思います。前回も申し上げましたけれども、人証に対するご質問ということでありますので、あくまで証人の方で経験に基づいた事実についてお聞きいただく。くどいようですけれども、その点をよろしくお願いしたいと思います。

 その他、証人尋問に係る幾つかの制約がありますけれども、必要があれば、裁判所から、その点についてお話しすることがあるかもしれませんので、よろしくお願いいたします。

 時間でありますけれども、主尋問の方が20分から30分ということでお願いしておりますので、よろしくお願いします。

 反対尋問については同程度ぐらいを見ております。後に須藤さんご自身も含めまして、トータルで2時間以内にはおさめたいと思いますので、よろしくご協力いただきたいと思います。

 それでは、被告の方から始めていただきたいと思います。

○被告代理人(橋本弁護士) 書証ですが、乙29号証の1から7というのを出したのですが、ちょっと訂正があったのです。

○大門裁判長 そうですね。これは事前に出していただいておりますので、ちょっとやっておきましょうか。

 前後しまして失礼いたしました。

 事前にいただいております乙29号証の1から7、これは反訳書の訂正ということで、原告の方でごらんいただいて、反訳とテープと対照していただければわかると思うのですけれども、今ご確認いただいたらあれなんですけれども、内容についての信用性の話、信用性といいますか、このようになっていますよということでご指摘があって、そのとおりかどうかという話があるのですが。

○原告(須藤) 再度チェックしていませんけれども、テープはノイズばかりで、聞き取れないのを、被告側はダビングする前の録音したオリジナルテープを持っていますから、僕がダビングしたのよりは多少鮮明なのであろう。

○大門裁判長 鮮明なのではないかということですか。

○原告(須藤) ええ。小さな語句の訂正がほとんどですので。

○大門裁判長 特段ご異存はないわけですね。

○原告(須藤) ないです。

○大門裁判長 それでは、今の乙29号証の1ないし7を提出いただいて、尋問に移りたいと思います。

それでは、どうぞ。

○被告代理人(橋本) それでは、目黒区長の代理人、橋本の方から伺います。

最初に、乙28号証を示します。これは陳述書ということで、証人の名前が書いてありますが、証人がおつくりになったものだということでよろしいですね。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) ここには「目黒区総務部長」というふうに書いてあるのですが、これをお書きいただいたときはそうだったわけですが、現在の職名はどういうことでしょうか。

○鈴木証人 目黒区都市整備部長です。

○被告代理人(橋本) 中に訂正が2カ所あるというふうにお聞きしたのですが、まず1ページのどの部分でしょうか。

○鈴木証人 1ページの4行目です。「新庁舎移転対策本部」と記載をしてございますが、正確には「新庁舎移転推進本部」に訂正をお願いしたいと思います。

○被告代理人(橋本) それから2番目が12ページというふうにお聞きしているのですが。

○鈴木証人 12ページの13行目です。「前回の審査委員会の会議録を確認し」というところを、「審査委員会ではその都度資料を確認の上」というふうに訂正をお願いします。

○被告代理人(橋本) 2回目の訂正のところは、「前回の審査委員会の会議録を確認し」とありますけれども、そうではなくて、「その日の会議の資料を確認し」、そういう意味だということですか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) ところで、本件で問題になっているのは、目黒区の本庁舎などの跡地の売却の方法と、その値段がいいかということが問題になっているわけですが、この乙28号証の1ページに、第1ということで、「これまでの庁舎移転の経過」ということで書いていただいているのですが、ここに書いてあるような経過で新庁舎が必要だというふうに判断されたということでよろしいですか。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) それから乙28号証の3ページを示します。3ページの2行目に、第2ということで、「千代田生命保険総合会社本社跡地買収の経過」というふうに書いてありまして、以下、説明していただいているのですが、そこに書いてあるような経過で、千代田生命の本社跡地に、目黒区の新庁舎を建設することになったということでよろしいですか。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) 乙27号証の1を示します。これは表題が「財源確保のための売却候補用地について」というふうに書いてあるのですが、ここに書いてあることの中身、具体的に何が書いてあるのか、ちょっと説明していただけますか。

○鈴木証人 庁舎移転に当たって、その財源確保のために、売却の候補用地を記載したものでございまして、候補用地の選定に当たっては、3つの区分によって、現庁舎用地・庁舎周辺用地、未利用地、暫定利用地について、選定区分を示した上で、売却候補用地として20カ所をピックアップいたしまして、面積、それから路線価、それから3カ年にわたる売却想定年度を記載したものでございます。

○被告代理人(橋本) 乙27号証の2を示します。これは「財源確保のための売却候補用地(売却想定)」と書いてあるのですが、これからどんなことがわかるのでしょうか。

○鈴木証人 これは売却予定価格の120億円の内訳でございまして、本庁舎用地、公会堂用地、合わせて51億4000万円を想定したものでございます。

○被告代理人(橋本) ここに黒く塗ってあるところがありますが、これは書証を提出するときには、まだ売れていなかったので、黒く塗りつぶしてある、そういうことでよろしいですね。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) 乙28号証の4ページを示します。7行目以下で、「そして」のところの前段の方で、買い取った土地の値段が書いてあって、後段の方に、財源として、旧本庁舎や公会堂跡地などを初めとする区有地の売却想定額、約120億円、今おっしゃった数字ですが、そして、積立基金の活用想定額で60億円ということですが、この積立基金というのは、どういう基金なのでしょうか。ちょっと言葉の意味を説明していただけますか。

○鈴木証人 積立基金といいますのは、条例の定めによりまして、特定の目的のために資金を積み立てていくもので、いわば民間でいえば貯蓄と同じようなものでございます。

○被告代理人(橋本) そうすると、いわば民間でいうと貯蓄の60億円と財産処分120億円、合計180億円、これがあれば新庁舎を取得できる、そういうふうに考えていたということでよろしいですか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) ところで、場所の、本件土地、従来の本庁舎のあった場所の周辺の状況を確認しておきたいのですが、乙11号証を示します。ぐちゃぐちゃっとした地図ですが、真ん中辺に本の折り目の線が入っていまして、その少し上の、ちょうど真ん中辺のところに、ピンクで塗ったところがあります。このピンクで塗ったところが、本件で問題になっている土地、すなわち、本庁舎の跡地と公会堂の跡地がある場所だということでよろしいですか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) 乙12号証を示します。これも地図ですが、真ん中よりもちょっと左側のところに「目黒区役所、目黒公会堂」と手書きで入れたオープンスペースになっているところがありますが、これが本件土地ということですね。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) ここにピンクで塗った部分、四角がずらずらっと並んでいるのですが、このピンクは何をあらわしているのでしょうか。

○鈴木証人 商店街をピンクで示しています。

○被告代理人(橋本) 乙13号証を示します。これは「目黒区都市整備方針」という題になっていますが、一番最後のページ、奥付を見ますと、平成5年3月発行で、平成13年6月印刷というふうに書いてありますね。それでよろしいですか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) この129ページを示します。129ページの一番上に「ゾーン整備」というのがありまして、@「シビックゾーン」というふうに書いてあるのですが、その次のページ、130ページに、図4−4「整備のポイント」という図面がありまして、真ん中に「区役所、公会堂」というのがあって、その周辺に、こういうふうに整備をしていくという図面になっているのですが、129ページのシビックゾーンというのは、130ページの図に示されたゾーンをシビックゾーンとして整備していこう、そういうことだったということでよろしいですか。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) もう一回129ページを示します。そうすると、シビックゾーン、見ていただいた図面の中で「事業の内容」というのがイとして書いてありますが、それを見ますと、その3番目には「憩いのネットワークの整備(歩行者空間の充実、沿道修景、緑化)」、それから4番目のポツのところには「主要公共施設(区役所、公会堂)の整備」とありまして、さらにその下の大きな項目のウ、「主体ごとの役割と実現手法」というところを見ますと、「主体」の欄の一番下、「民間事業者・区民」、それから「役割」の下から2行目を見ますと、「民有地部分の建築物整備や緑化」、これが民間事業者や区民の役割だというふうに理解してよろしいでしょうか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) こういう状況、こういう土地について、区役所や公会堂の跡地を民間に売却しようという話が出てきたわけですが、それに関して、平成13年5月16日に近隣住民説明会が開かれたということですが、この説明会ではどういうような意見や要望が出されたのでしょうか。

○鈴木証人 例えば跡地として庁舎が去った後にも、商店街の活性化をそのまましてほしいとか、桜の並木がありましたから、桜を大事にしてほしいとか、それから長年庁舎、集会場、公会堂がありましたので、そういったものも含めて、地域のコミュニティを崩さないでほしい、そういった要望が主にありました。

○被告代理人(橋本) 乙14号証の4を示します。これは「平成13年5月16日 近隣住民説明会参加者意見・質疑・区の回答」という表題ですが、これは今おっしゃった平成13年5月16日の近隣住民説明会のやりとりを詳しく記録したものであるということでよろしいでしょうか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) 乙28号証の5ページを示します。その6行目に、平成13年5月に書き出したのが書いてありますが、先ほど簡単にいっていただいたものをまとめて書いたのがここへ書いてあるということでよろしいですか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) 乙14号証の5を示します。これは「8月30日 第2回近隣住民説明会」というふうに書いてありますが、これはどういう趣旨の説明会なのでしょうか。

○鈴木証人 これは庁舎移転に当たって、地元に説明するために説明会を催したわけですが、ここでは庁舎の跡地の売却方法であるとか、利用計画などを住民に説明をし、意見要望をもらうというような趣旨で説明会を行ったものです。

○被告代理人(橋本) 乙28号証の5ページを示します。下から6行目、「ついで8月30日に」ということで書いてありますが、ここに書いてあるのが、今おっしゃった説明会での意見の代表的なものをまとめて書いたということでよろしいでしょうか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) 乙15号証の1から6をまとめて示します。これは議会の各委員会の議事録ですが、非常に分厚いので、逐一確認をとるわけにはいきませんが、概括的なことをお聞きしたいのですが、いろいろな委員会でいろいろ議論があったようですが、これらの審議の中で、本庁舎の跡地などは、できるだけ高く売るべきだという意見と、跡地の利用方法を十分検討して売却すべきだというような意見と、どちらが多かったのでしょうか。

○鈴木証人 近隣住民の意向を聞いた上で、できるだけ跡地利用計画を近隣住民に沿った利用計画にしてほしいというようなものが多かったです。

○被告代理人(橋本) 甲2号証の事実証明書3を示します。厚いものです。これは表題が「平成14年度における区有地の売却方法について(案)」とあるのですが、これはどういう性質の文書でしょうか。

○鈴木証人 これは区有地の売却方法について、一般競争入札分を合わせて、公募提案方式を合わせてつくったもので、議会の企画総務委員会に報告をしたものでございます。

○被告代理人(橋本) 企画総務委員会というのは、右肩のところに「企画総務委員会資料」と書いてある、これから見てわかるわけですね。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) これは企画総務委員会ということですが、これ以外の委員会等には説明はなされたのでしょうか。

○鈴木証人 あと都立大学跡地庁舎建設等調査特別委員会にも報告をしております。

○被告代理人(橋本) もう1回この資料そのものについてお伺いしますが、大きな項目、Tとして、一般競争入札分、それからUとして、公募提案方式分というふうに分かれて書かれていますが、本件で問題になっている本庁舎用地、それから公会堂用地というのは、どちらの区分に入っているのでしょうか。

○鈴木証人 公募提案方式分に入っています。

○被告代理人(橋本) これは公募提案方式分の1、売却用地の概要の中の@のところに書いてある、そういうことでよろしいわけですね。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) そこの2、「売却方法等」というのを見ますと、(1)は契約の方針、公募提案方式、(2)が買い受け者選定方法とあって、「審査委員会を設置し、提案内容を審査の上、順位づけを行い、契約する」と書いてあるのですが、通常の競争入札のように、値段が高かったらそれで決めてしまうということであれば、こういうような方法をとるということはできるのでしょうか。

○鈴木証人 そういうことはありません。

○被告代理人(橋本) 値段の高いものに自動的に決まるのであれば、こういう審査委員会をつくるとか、提案内容を審査するなんということはそもそも必要ない、そういうことですね。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) この資料に基づいて委員会に説明されたということですが、この説明の当時の委員会、あるいは委員会が終わってからでも結構ですが、議会の方から、本庁舎や公会堂の用地について公募提案というのはおかしいのではないか、一般競争入札にすべきではないかというような意見が執行部の方に寄せられたのでしょうか。

○鈴木証人 いえ、聞いていません。

○被告代理人(橋本) ここで今見ていただきましたように、公募提案方式をとるということになっているのですが、これはなぜ公募提案方式というふうになったのでしょうか。

○鈴木証人 価格だけではなくて、土地利用を考慮しながら、近隣住民の意向でありますとか、土地利用計画の担保ができるような方式として考えたものです。

○被告代理人(橋本) 乙28号証の7ページ、下から3行目以下を示します。ここに第4、契約方法として、公募提案方式を採用した理由ということで書いてありますが、いろいろ書いてあるのですが、先ほどおっしゃっていただいたのを細かく書いたのがこの部分だということでよろしいですか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) 乙1号証を示します。これは「公募提案方式による区有地売却の応募要領」という題名が書いてありますが、先ほど証言いただいた、議会の了承を得た考え方に従ってつくられて、買い受け希望者はこれに従って応募することになっていたということでよろしいでしょうか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) 乙2号証を示します。これは「目黒区本庁舎跡地等土地利用計画審査委員会設置要綱」という表題ですが、この委員会の仕事というのは、第2条の「所掌事務」と書いてありますが、本庁舎跡地の利用計画等の順位づけを行うための評価基準を決定すること、それから利用計画等を評価し、順位づけを行い、区長に報告をすること、この2つがメインだということでよろしいですか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) 証人はこの委員会のメンバーだったということですね。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) この委員会の様子につきましては、甲40号証の1から7、それから乙29号証の1から7ということで、録音テープの反訳が出ていますね。それはご存じですね。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) 乙28号証の10ページ以下を示します。10ページの一番最初、1行目、第5、「目黒区本庁舎跡地等土地利用計画審査委員会の審査の経緯」ということで、以下ずっと長々と書いてあるのですが、ここに乙28号証をお書きになったのは、この委員会での議論の経過、あるいはその時々に証人が思ったことを書いてあるということでよろしいでしょうか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) 具体的な経過とか、個別の提案に対する評価というのは、これらの書証の方を見ていただくということにしますが、本件で一番問題になっているのは、価格、値段なのですが、その点について確認したいと思います。

28号証の27ページを示します。27ページの上から2行目のところで、「ここでは評価順位の決定方法について議論を重ねました。P委員は、順位づけには価格評価を含まないものを採用すべきと主張しました。Q委員は」云々かんぬんとここに書いてあるのですが、価格をどのように評価に反映させるべきかについて議論がなされたということだと思うのですが、それを拝見しますと、最初から価格を反映させると、すぐれた提案であっても、下位になってしまう可能性がある。逆に、提案内容だけで評価すると、価格が高い方でも、下位になってしまう可能性がある。そういう両方の意見があったということでよろしいでしょうか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) 乙28号証の28ページ、5行目の一番最後の1字からですが、「価格なしの計画内容で順位づけをすることが最良の方法と考え、決定されたものであります」と書いてあるのですが、この方法ですと、価格がどんなに高くても、計画の内容の審査で下位になってしまうと、最終評価に残らないということになってしまうのですが、それは不合理だということにはならなかったのでしょうか。

○鈴木証人 公募提案方式を採用した理由でありますとか、財政計画等を踏まえますと、不合理だというふうには思えませんでした。

○被告代理人(橋本) 評価基準ですが、価格について1億円が0.1点とはおかしいではないかということを原告さんは盛んにおっしゃっているのですが、それが合理的だというふうに考える根拠はどんなことでしょうか。

○鈴木証人 評価項目の小項目に、各配点が5点満点になっているということ、それから、提案の価格の最高価格と予定価格の差が約50億ということでございまして、そういったことも踏まえまして、価格評価を5点として、よりきめ細かく評点が反映できるようにという形で、1億円を0.1点にしたということでございます。

○被告代理人(橋本) 甲2号証の事実証明7を示します。甲2号証の一番最後だと思います。甲3の前。これは「土地利用計画提案評価書(案)」というふうになっていますが、これは「案」がついていますが、最終的に決定されたものもこれと同じだということでよろしいですか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) 先ほどおっしゃっていただいたことをこれで確認したいのですが、これを見ますと、評価の項目が、1番目のところで、「信用度評価」というのがあって、これは、あるかないか、点数をつけないということですね。それからその次に利用計画評価」というのが大きな項目としてあって、その小項目が、「町並みとの調和」、「住民への貢献」、「緑化の確保」、「空地等の確保」、「公害等」ということで5項目に分かれていて、それぞれの小項目が、またそのままのものもありますし、3つないし4つに分かれているのもある、そういうことですね。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) この小項目についてそれぞれ採点していって、それぞれの5点満点の点数が一応右側につくということでよろしいわけですね。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) そして「利用計画評価」の下に価格評価」というのがあるのですが、「購入希望金額」とあって、予定価格を1億円超すごとに0.1を加点、1億円未満の端数を切り上げるというのは、先ほど私がお聞きした、1億円につき0.1点ということですね。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) これは客観的な数字なので、委員さんがすぐ点数をつけなくても事務局で処理できるということで、事務局がこういう計算をして、右側のFの欄のところに点数を入れるということですね。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) それから一番最後に「総合的評価」というのがあって、「上記以外の項目、または特に評価すべき項目について、総合的観点から評価」というのがあるのですが、この総合評価につきましては、下の欄外の2番目のアスタリスクのところに、「総合評価は持ち点10点以内で加点すること」というふうに書いてあるわけですね。よろしいですか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) ということは、この総合的評価は、審査委員さんのお考えだけれども、0点から10点まで、点数をつけることができる、そういうふうに理解していいですか。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) この総合的評価を何についてやるかですが、もう一度「総合的評価」の欄のところを見ていただきますと、括弧のところで「上記以外の項目」というふうにありますから、この上記」というのは、信用度、利用計画、それから価格の項目が上記ですね。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) ですから上記、上に項目として出したもの以外で、何か特に評価すべきものがあれば、それについて評価をしてくださいということですね。

○鈴木証人 はい。

○被告代理人(橋本) それから、「または」の後に、「または特に評価すべき項目」というのは、さっきは上記以外の項目ですから、こちらの方が、上記の項目の中で5点満点、あるいは価格は4点から6点になるわけですが、そういう評価で、特にこれは大事だと思えば、その点について、さらに加点した評点をつけることができる、そういうふうになっていると理解してよろしいでしょうか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○被告代理人(橋本) 終わります。

○大門裁判長 よろしいですか。

○補助参加人代理人(人見弁護士) 2、3・・・。(注、補助参加人とは、故藥師寺区長の相続人のこと)

○大門裁判長 では、手短に。

○補助参加人代理人(人見弁護士) 補助参加人代理人のヒトミの方からお話をお伺いしますけれども、まず審査委員会の審査に関して、前区長が何か関与したということはありますか。

○鈴木証人 ありません。

○補助参加人代理人(人見弁護士) それから審査結果を区長に報告する際に、上位3提案を順位づけして、審査委員会の委員長が区長に報告したということですけれども、その際の報告に関して、何か前区長が影響を与えたりとか、そういった行為を行った事実はありますか。

○鈴木証人 いや、ありません。

○補助参加人代理人(人見弁護士) 区長への報告の際に、審査委員会のコメントか何かを個別的にされたという事実はありますか。

○鈴木証人 審査委員会の細かいことの説明ではなくて、包括的な説明を委員長がしたというふうな内容でございます。

○補助参加人代理人(人見弁護士) 個別の説明はしていないということでしょうか。

○鈴木証人 はい。

○補助参加人代理人(人見弁護士) 以上です。

○大門裁判長 よろしいですか。

○補助参加人代理人(人見弁護士) はい。

○大門裁判長 では、以上で主尋問を終わります。

では、反対尋問。

○原告(須藤) 反対尋問するに当たりまして、弾劾証拠というものを2種類、4点と、それからぼくの本人尋問のときに触れる書証を1点と提出します。

○大門裁判長 書証の一般的なお話を申し上げると、今おっしゃったように本当に弾劾証拠としてそこで示すべきものか、そうであれば、その場で出せるものなら出せるのですけれども、基本的には事前に出していただかないと、裁判所の方も相手方の方も準備がありますから、内容についてどのように対応するかわかりにくいところがありますので。

○原告(須藤) はい。

○大門裁判長 弾劾証拠として今お持ちになっているというものは、あなたの方で、これはお示しになるおつもりですか。

○原告(須藤) はい、そうです。

○大門裁判長 ちょっと見せてください。

○原告(須藤) はい。これは開示請求で入手したものです。

○大門裁判長 これは証拠説明書。

○原告(須藤) 証拠説明書はこれです。

○大門裁判長 一見してわかりづらいものはないようです。要は、あなたの方で受け取ったものと、なおかつ……。

○原告(須藤) これがメモの開示請求で、これが住民の要望を審査委員会へ要旨として提出したもので、それがまとめる前のものです。

○大門裁判長 はい。

○原告(須藤) これはぼくの本人尋問のときに触れることであるので、それ用のものです。

○大門裁判長 少なくともこれは弾劾証拠になりません。

○原告(須藤) これは違います。

○大門裁判長 こういうものは事前に出さないといけないのです。

○原告(須藤) ああ、そうですか。

○大門裁判長 こちらの方も、おっしゃる趣旨の弾劾証拠になるかどうかは後ほど判定するしかないので、お見せになったときに、証人が答えられなくても、それは仕方がないところもありますから、そこは後で、させていただきますが、先ほど一般論で申し上げたように、これは事前に出していただいた方が、円滑に進むということはあったと思いますけれども、これをお出しになるのであれば、「後に提出する」ということで、こちらの方にも写しを渡していただかないといけないので、今の段階で渡しておいていただいてもよろしいですか。

○原告(須藤) 結構です。

○大門裁判長 今すぐ見せないと意味がないとか、どうも拝見すると、そういうものでもないような感じがします。

○原告(須藤) はい。

○大門裁判長 では、一応それを見ておいていただいて、お示しになるときには、「後に提出する」という形で示してください。

○原告(須藤) はい。

○大門裁判長 よろしいですか。これは裁判所用ですね。

○原告(須藤) はい、そうです。

○大門裁判長 お手元にありますね。

○原告(須藤) あります。

○大門裁判長 では、お見せになるときにも、特定をきちっとしていただいて、まだ事前に見ているわけではありませんから、そういうことだということで、必要なときに示してください。

○原告(須藤) わかりました。

○大門裁判長 よろしいでしょうか。そういうことで進めます。

では、原告の方から反対尋問。

 

○原告(須藤) では、まず、今の証人の証言の中にあることから2点ほど聞いておきます。

先ほどの中で、一般競争入札で売却するか、あるいは公募提案方式で売却するかということで、一般競争入札にすべしというような議会からの話があったかということについては、そういうのはなかったということでしたけれども、その後に、これは議会がそういう了承をしたことに基づいて、応募要領を作成したという趣旨の証言をしていましたけれども、こういう売却方法については、行政の執行権で決めるものであって、議会の議決を経るものでありませんから、通常の常任委員会、あるいは特別委員会等への報告をしただけ、そういうことじゃないんですか。了承したというよりは、報告した。そういうことを、了承というふうに聞かれて、「はい」といったんじゃないんですか。どうですか。

○鈴木証人 通常の議会は、たしかに執行権としては区が決定をするのですが、区が決定したものを議会に報告をした上で、議決ではありませんが、議会で了承のもとで、区は執行していく、そういった流れの中で行ったものということになります。

○原告(須藤) ぼくも区会議員をやっていますから知っていますけれども、了承というのではなく、報告して、単に聞きおく。ですから、議員の中によっては、そんな売り方をされては困るよ、あるいは、それでいいよというのがありますけれども、その態度表明をする場はないですよね。

○大門裁判長 申しわけないですが、質問の形をとってください。演説ではないですから。

○原告(須藤) はい。ですから、いま重ねていいますけれども、それは報告をした、そういうことじゃないんですか。

○鈴木証人 報告をして、報告を受けたという受け方と、報告をして、議会として、例えばこれに沿ってある程度の了承をしたという意味合いはあると思います。ただ、具体的に議決とは違いますから、報告を受けたということの委員会の決議ではなかったというふうには、私の記憶であります。

○原告(須藤) 議決はしていませんからね。

 それから、公募提案方式についての反対がなかったといいますけれども、公募提案方式で、これが議決案件で出てきたときに、いわゆる与党会派、自民党区議団、公明区議団、区民会議等は、この議決案件に賛成しましたが、その他の会派及び無所属議員は、反対しましたよね。記憶していますか。

○鈴木証人 ……。

○原告(須藤) どっちなんですか。反対しましたよね。

○鈴木証人 契約議決としては反対をしたと記憶しております。

○原告(須藤) では、陳述書にあることを聞きます。今そちらにお渡しいたしましたが。

○大門裁判長 証拠を示されますね。

○原告(須藤) はい。

○大門裁判長 そうしたら、「また後に提出する」とおっしゃってください。

○原告(須藤) 後に提出する甲48号証及び甲49号証の1、それから甲49号証の2、これは関連していますので。

証人は、陳述書を、自分のメモを参考にして書きましたか。どうですか。

○鈴木証人 メモだけではなくて、聞いた話であるとか、会議であるとか、いろんなさまざまなものを駆使して記載しています。

○原告(須藤) メモが陳述書に登場して、なおかつ会議録等にないことも出てくるのですが、メモは、開示請求したらば、既に廃棄したと返答が返ってきましたが、それはいつ廃棄したのでしょうか。

○鈴木証人 各審査会ごとに、自分の雑記メモですから、審査会が全部終了をして、第6回を終了した時点では私は廃棄をしています。

○原告(須藤) そうすると、陳述書をつくったときには、メモはもう残ってなかった、そういうことですか。

○鈴木証人 ありません。

○原告(須藤) そうですか。中には「メモで確認をすると」ということで、確認したというのが出てきますけどね。

○鈴木証人 メモという正確のものが、公にされているメモであるか、私個人のメモか、いろんな性格はあろうかと思います。

○原告(須藤) でも、審査委員会の審査というのは行政行為ですから、自分で書いてもこれは開示請求の対象になるということであれしたら、もう既に廃棄しているというんですが、もう一回聞きますが、審査に関することは、メモは廃棄したんですが、しないんですか。

○鈴木証人 ヒアリングの中でメモしたものは廃棄をしています。

○大門裁判長 いまのところでまだ示していませんね。先ほど冒頭に挙げたのは、示すときにいってください。現実にご本人に示すときに、「後に提出する第何号証を示す」と。先ほど冒頭にいわれたところは削除しておきますから。いいですね。まだ示されていませんから。48号証、49号証の1、2と。いいですか。

○原告(須藤) はい。

○大門裁判長 そこの示し方について、気をつけてお願いしたいと思います。

では、ちょっと中断してしまいました。

○原告(須藤) 後に提出します甲第50号証、そして51号証ですが。

○大門裁判長 示してください。

○原告(須藤) これが50号証です。これが51号証です。これは見た記憶がありますか。

○鈴木証人 あります。

○原告(須藤) どこで見ましたか。

○鈴木証人 大分前の話で、どこで見たかは、ちょっと記憶がないです。

○原告(須藤) これは第3回の審査委員会に提出された資料3というものです。それから、これは見たことありますか。

○大門裁判長 これとはどれですか。

○原告(須藤) 甲51号証の、近隣住民が記入した意見記入表及び意見要望の記入表ですが。

○鈴木証人 あります。

○原告(須藤) これについて聞きます。というのは、審査委員会の3回目にこれが提出されたわけですね。それで、証人は、陳述書の15ページでこのことに触れています。そして、51号証の方ですけれども、このうちの6枚については、乙14号証の7の1から6で既に提出されていて、その中の立証趣旨としては、住民から、整理番号7、これは三菱商事ですけれども、等にすべきであるとの意見があったとして、提出されたとしているわけです。

しかし、今回、原告は、このうちの6件ではなくて、これの開示請求をして入手した30枚、件数にして26件ですけれども、まとめて51号証として提出いたします。

ここで伺うのは、第3回の審査委員会の中で、事務局側から、応募した業者が住民を装って、閲覧会場に来て、同じような意見を記入していったという報告がありました。ありましたね。それは記憶していますね。

○鈴木証人 ・・・・・

○大門裁判長 お答えは、声に出していってください。

○鈴木証人 はい、記憶しています。

○原告(須藤) ところが、証人は、陳述書の中の16ページのところで、「これだけの意見、要望を得たことから、提案資料の公開とともに、近隣住民会を早めに行ったことは、的を射たものだと思いました。」さらに、「住民の生の声を早く聞けたことは、本当に意義があった」というふうに書いていますけれども、今お見せした甲50号証は、要旨をまとめてあって、51号証は、記入したそのままなんですけれども、第3回に説明があって、この意見の中に、住民を装った業者が入っているということは考えませんでしたか、どうですか。

○鈴木証人 事務局から説明がありましたので、そういったものは一部入っているかと思いましたが、それは区民だけでなくて、いろんな声がここに反映というか、意見、要望が来ておりますので、その1つというふうには考えておりました。

○原告(須藤) しかし、これは甲40号証の3、修正版が乙29号証の3の6ページに、事務局がこれを説明したくだりがあります。6ページの中央からやや下、委員、助役というところに、17番以降23番まで、「こんなさあ、そういうのが」というのがありまして、確かにこの17番から23番まで、7件すべて三菱商事の提案の7番、8番をよしとして記入しているのですね。

ですから、証人が第3回の審査委員会に出席していて、応募提案業者が住民を装って入ってきたという報告があった。そして、幾つかまじっているということだけでも問題ですけれども、ここに、23番から、修正版の方でも、この箇所は訂正していませんけれども、17番以降23番まで、「こんなさあ」と同じ意見が続いているのです。こういうことはすっかり忘れてしまって、生の意見が聞けてよかったというふうに書いたのですか。

○鈴木証人 それは業者のものかは私はよくわかりません。ただ、区民の、近隣住民のいろんなさまざまな意見、例えば高さであるとか、環境への影響であるとか、そういったものを身近に聞けてよかった、そういう意味で書いたものでございます。

○原告(須藤) 業者かどうかわからなかったといっていますけれども、集団で業者がやってきてということは、はっきりいって、委員長もこのやりとりに参加している。助役も参加している。

そして、この中で、要約版では、23件中、7件が、三菱商事の提案をよしとしているのですから、ほかにはばらついていて、まとまって来たのはないのです。それでも三菱商事の提案であったというふうに考えられないと証人は思うのですか。

○鈴木証人 いま、ご指摘の三菱商事が書いたかどうかは私はわかりませんでしたし、住民が見て、7番がいいと思って書いたのかもわからない。このときの印象としては、そういった方がかなり強かったと思います。

○原告(須藤) もう一回聞きます。第3回の審査委員会に証人は出席していて、委員長及び他の委員が、こういうことが問題になったのに、これはどこの業者であるか、特定しようとしませんでしたね。

○鈴木証人 はい、特定をしておりません。

○原告(須藤) 最後の第6回の審査委員会、最終回まで、このことは問題にしなかったですね。「そういう状況としてお含みおきいただければありがたい」というふうに委員長はこの場で発言しているのですが、最後の最後まで、この件は再び問題になりませんでしたね。

○鈴木証人 はい、問題にはなりませんでした。私は先ほどいいましたように、だれが書いたのかはわからないということでございます。

○原告(須藤) だれが書いたか、さっきの繰り返しになりますけれども、この中で23件中7件は、三菱商事の提案をよしとしているというのは、委員会で出てきますよ。それは結構です。

それから、売却予定価格について伺います。証人は陳述書の10ページで、「財源確保はもちろんのこと」というふうにいっていて、ここで伺っておきたいのですけれども。

○大門裁判長 ちょっといいですか。できるだけ質問はコンパクトにしていただいた方が理解しやすいので、その点、よろしくお願いします。

○原告(須藤) わかりました。では、質問のあれを変えます。

財源の確保というのは、総額で、区有地全般を売って120億をつくりさえすればよい、そういうことですか。

○鈴木証人 予定としましては、予定価格、いま全体として約120億を想定しておりましたので、それ以上を確保していくという目標はございました。

○原告(須藤) それとあと、予定価格を区が決定するに当たり、想定したマンションがどういうものであったか、審査委員会に説明はなかったのではないですか。

○鈴木証人 予定価格を決めるに当たっては、専門の鑑定士に基づく財政価格審議会の諮問、答申を経ておりますので、そういった専門分野の方々が結論を出したものについて、審査会でも特に議論をしてございません。

○原告(須藤) じゃ5、6階建てのファミリータイプのマンションだということは、証人は知りませんでしたか。

○鈴木証人 はい、その当時は知りませんでした。

○原告(須藤) そうすると、実際に提案されたのが、それに近い7階の提案が2件だけで、あと審査の対象になったのが14件ですから、12件は11階から25階まで。想定したマンションの高さを知らないでいて、高さについてだけいえば、審査した、そういうことですか。

○鈴木証人 財政価格審議会の内容は知りませんが、繰り返すようですが、専門の鑑定士が鑑定をした、そういった鑑定結果について尊重していく、そういった立場はあります。

○原告(須藤) そうすると、売却予定価格を超えていればいいというのですけれども、実際に想定したときの延べ床面積は、本庁舎跡が1万2000平米余、公会堂跡が9000平米余であったのです。ところが、実際に公募されたのは、本庁舎跡が1万6000平米弱。そして一番多いのが、2万4000平米余。そして公会堂の方が、9000平米余から、1万5000平米余。ですから、本庁舎跡に至っては、最大では2倍の延べ床面積になるのですね。ですから、予定価格よりずっと高くなったというふうに、陳述書の中で、驚いたといっていますけれども、延べ床面積が広がれば、購入希望金額が上がるのは当然ですよね。

○鈴木証人 一般的にはそういう考え方はあろうと思います。

○原告(須藤) それからあと、コミュニティ施設のことについて伺います。

証人の陳述書の24ページの中に、これは提案番号の7番、三菱商事の提案が、これは650から1300平米に拡大されたわけですけれども、証人は、756とかいう占有部分以外のところも加えて書いていますけれども、この中で24ページ及び25ページのところで、「コミュニティ施設の面積について質問したが、面積の拡張については、整理番号13番において、350を2倍くらいまで拡張できるかという質問をしただけで、他の提案においては、具体的な質疑はありませんでした」とありますけれども、そのとおりですか。

○鈴木証人 質問というのは、7番については再質問でその拡張の話が出てきたと思っています。それから、ほかのものはしなかったというのは、やはり1000平米以上超えているものにはあえてする必要がないし、無償譲渡でないものについてはあえてしていないというようなことではないかと思います。

○原告(須藤) しかし、この録音テープを聞きますと、整理番号5番については、広さと帰属について提案者に質問していますね。整理番号9と10は、一番広いA案が1020、B案が850ということで、初めの提案では一番広い公共施設ですけれども、これも還元施設かというふうに聞いて質疑している。12番も無償でもいいと回答している。ですから、証人の書き方によれば、無償譲渡があたかも三菱商事だったように陳述書に書いていますけれども、そんなことないですよね。ほかにも何点か、譲渡しますとかいっていますね。無償譲渡というのは三菱だけではありませんでしたね。

○鈴木証人 規模等が違いますので、ほかのものもありましたけれども、そういうことはありました。規模は違いました。

○原告(須藤) 規模がむしろ三菱より大きいところもありましたね。

○鈴木証人 確かに1社あったかと思うのですが、それはコミュニティ施設だけでなくて、全体の中で判断をしたということです。

○原告(須藤) いや、コミュニティ施設で聞いているんです。1020及び850ということで。

○鈴木証人 記憶の中では、幾つかはあったかと思います。

○原告(須藤) それで、もう一回ここで聞いておきます。そうすると、このコミュニティ施設について、三菱商事が広さを拡大したことについて、決して誘導ではなかったと陳述書の26ページに書いていますけれども、録音テープを聞きますと、助役が、「仮にこれじゃ中途半端だという話になったときには、まあ際限なくというわけにはいかないでしょうけれども、どの程度までだったらとれますよというふうに試算はされていますか」、これは修正版の、被告の方が今回出してきた甲29号証のところでは、「試算」が「目算」になっていますけれども、それはともかくとして、この後、助役がさらに「もっと端的にいうと、区に還元するというふうに考えてよろしいですか」と重ねて聞いているんですよ。くれないかと……。

○大門裁判長 質問の内容をとっていただけますか。

○原告(須藤) はい。聞いているんですが、これでも誘導ではなかったというのが、証人の考えですか。

○鈴木証人 はい。私は、再質問で拡大の話が出ていましたので、誘導しているとは考えておりませんし、印象もそうは感じておりません。

○原告(須藤) あと、評価点について、先ほど証人は、1億=0.1点である。それのことについて、評価項目の小項目が5点満点であること。審査対象になった最低価格と最高価格の差が約50億円ということで、これが合理的なんだという趣旨のことをいっていましたけれども、審査委員会で、10億=1点を途中から1億=0.1点というふうに変えた説明がありますけれども、なぜ1億=0.1点なのかという、審査委員会で事務局なりの説明はなかったですね。

○鈴木証人 事務局の説明はなかったですが、私としては、先ほど申し上げたように、小項目、項目の1つとして価格評価を考えていたので納得したのだと理解しております。

○原告(須藤) ところが、審査委員会の中で、この価格評価の1億=0.1点の合理性についての議論は1度もされていませんね。

○鈴木証人 細かい議論はしていないと思います。

○原告(須藤) 大きな議論もしていないですね。

○鈴木証人 事務局の説明でみんなが納得した。各委員が、いまの内容として納得したんじゃないかと思ってはおります。

○原告(須藤) しかし、事務局の説明は、10億=1点だと8億でも9億でも点数にならない。ゆえに1億=0.1点にしたんだという説明であって、根拠の説明はしていませんね。

○鈴木証人 説明としてはなかったと思いますが、理解はしていたと思います。

○原告(須藤) それは理解といえず、自分でそう考えたということなんじゃないんですか。

○鈴木証人 はい、そう考えていました。

○原告(須藤) それから、証人は陳述書の26ページで、整理番号7番、つまり、三菱商事の提案ですけれども、「ヒアリングで、近隣から階数を減らしてくれとの要望があったときに、企業努力で吸収していこうという考えを持っていること」というふうに書いてありますけれども、このことは、売却先が決定した後、住民説明会を開催していますけれども、三菱商事がこういう考えを持っていたことは、近隣の住民に伝えましたか。

○鈴木証人 伝えてはおりませんが、近隣の住民の中には、そういった意見で紛争が起きたということは聞いていませんので、その計画どおりになったと理解しています。

○原告(須藤) 説明していなかったということもわかりました。

 それから、三菱商事は結局、階数を減らさなかったので、その分、得をしたことになりますね。階数を減らすというのは、マンションの戸数にすれば数戸あるいは十数戸分に相当しますから、大変得をしたことになります。その分、目黒区は安く、72億でも最高価格よりも391000万円も安いのですけれども、それよりもさらに安く売却したということになりませんか。

○鈴木証人 私は、そうは考えておりません。

○原告(須藤) どういうふうに、要するに、減らす用意があるというのに、減らせと審査委員会もいっていない。契約するときに区長もいっていない。だから、減らさなかったんですけれども、それでもそうは思わないんですか。

○鈴木証人 むしろ弾力性がある提案というふうには理解していました。

○原告(須藤) ということは、つまり、近隣が建築紛争を起こして、住民から三菱商事に階数を減らせ、戸数を減らせということが出たら、三菱商事は減らすであろう。したがって、相手がこういう考えを持っているのに、目黒区としては、三菱商事に審査のときあるいは契約のときに、減らさなくていいというふうに考えたのですか。

○鈴木証人 それは、今後の紛争にあっての弾力性を聞いたまででございます。

○原告(須藤) ということは、審査の途中で紛争が、住民の要望があれば減らしますよということをいっていたのに、目黒区は全くそれに介在しないでいたんですか、どうですか。

○鈴木証人 受け方としては、やはり紛争があったときの弾力性というふうに私は受け取っておりました。ですから、この時点でのヒアリングの中で、三菱商事がいますぐ減らしますよというような答弁ではなかったという印象を受けています。

○原告(須藤) 確かにあのテープをよく聞くと、「これで決まりということだとなんですが」ということで答えを留保していますね。ですから、いま証人がいったのは、紛争があったら弾力性があるといっているけれども、向こうは減らすと断言していないけれども、証人を初め審査に当たった人は、審査委員会の協議録という関係人調書の記録がありますけれども、みんなそういうふうに、あれは減らすといってくれた、いってくれたといっているんですから、そこはどうなんですか。あれは減らすというふうに理解したんですか、しないんですか。

○鈴木証人 その時点で減らすというふうには理解をしておりません。

○原告(須藤) では、いつの時点で減らすと理解して、ここの陳述書にもそう書いてありますよ。

○鈴木証人 だから、先ほど申し上げましたように、紛争があって、さまざまな要因でそういった用意があるという弾力性として受けとめました。

○原告(須藤) では、目黒区としては、それを減らしてくれとなぜいわなかったのでしょうか。もしご存じであれば。

○鈴木証人 区としていわなかったかどうかは、私はよくわかりません。

○原告(須藤) 証人は、陳述書の28ページ及び30ページで、「価格についての評価が定量的に行われるのに対して、土地利用計画についての評価は定性的にしか行えないことから、両者を同一次元で比較することは事実上不可能であることは、審査委員会の各委員の認識するところである」と書きましたね。それで2、3聞きます。

 価格は定量的、提案内容は定性的で、同次元で比較できないというのは、証人はいつ考えたのですか。

○鈴木証人 審査の中でも、やはり同じところの、例えば内容と価格がいくらいくらという具体的な価格の評価として一致するのは難しいだろうとは考えていました。整理としては、後々定性的評価と定量的評価は相反するものというふうには、理解はしていました。

○原告(須藤) というのは、審査の過程で、そういう考えが既にあったという書き方ですね、審査委員のほかの委員にも。しかし、審査委員の会議録、12時間近くの中ですけれども、だれ一人として、価格は定量的、提案内容は定性的だという議論をしていない。あるいは、それをうかがわれる議論もしていませんね。

 なおかつ、証人についていえば、原告が住民監査請求をしたときに、関係人調査という事情聴取が証人に対しても行われ、その記録が協議録として残っています。その中でも、価格は定量的、提案内容は定性的ということを一つもいっていませんね。あのときは、いっていませんですね。

○鈴木証人 ・・・・

○大門裁判長 お答えいただけますか。

○鈴木証人 審査委員会の内容では、定性的評価、定量的評価という言葉は使っていませんが、価格の評価と提案の内容を分けて考えるということは、既にそういった考えを持っていたという形でございます。

○原告(須藤) けれども、文言としては出てきていません。

○大門裁判長 それはよろしいですか。

○鈴木証人 文言としては、当時は出てきていません。内容としては、そういった理解です。

○大門裁判長 実は、持ち時間がほぼ来ているのですが。

○原告(須藤) じゃ、あと1問だけでよろしいです。

○大門裁判長 よろしいのですか。

○原告(須藤) はい、この関連ので。

○大門裁判長 では、手短に。

○原告(須藤) それでは、関連というか、それはそれとして、もう1つ重要なことは、これは一般競争入札ですと価格という単一の要素のみで行われるのであって、公募提案方式でやった方が合理的だと陳述書の中に何度が出てきます。条件をつける、都内では豊島区の小学校の跡地の売却でやったように、用途である、建物の高さである、延べ床面積である、細かく塀の高さまでとか、緑化のどのくらいの樹木を植栽するなどという条件を具体的に、行政目的に合った条件をつけた一般競争入札が行えるわけですけれども、そういう条件つきの一般競争入札については、証人は知っていましたか、知りませんでしたか。

○鈴木証人 知っておりました。

○原告(須藤) そういうことが可能であるということは知っていましたか。

○鈴木証人 やり方として条件つき一般競争入札は知っていましたけれども、この地にあってそれがふさわしいかという問題は、また別の問題だと思っています。つまり、条件つき一般競争入札であれば、入札時に条件を設定しなければならない。そして、その条件は幾つかにある程度限定されてしまう。そして、この地にあっては、いろんなさまざまな要素の中で提案が出て、まちづくりの環境整備をしていかなければならないと思っています。そして、住民意向を踏まえてその内容を反映させるには、条件つき一般競争入札には難しいと考えております。住民要求は日々変わるものでございまして、それらを反映させていくには公募提案方式の方が、提案いただいたものを区民に公表して、それらの意見を踏まえながら区が審査をして、契約をいくわけですが、それの方がふさわしいと思います。また、条件つき一般競争入札……。

○大門裁判長 もうわかりました。

○原告(須藤) では、1つだけ今の、ああいう言い方をしたので。新庁舎の担当部長として、ところが、この公募提案方式にするときに、いま述べたような条件つき一般競争入札というのは出てきていませんよ。条件つき一般競争というのは、参加資格に土木工事等でAランク、Bランク、目黒区に本社があるとかないとか、いまも目黒区はやっていますけれども、条件つき一般競争入札というのはそういうことであって、中のハード面につけるのはなじまないというようなことが書いてありますよ。想定問答集にも出てきます。

○大門裁判長 原告、よろしいですか。

○原告(須藤) ですから、当時はそういうのは、後から思いついたんじゃないですか、いまの条件つき一般競争入札の。当時は……。

○大門裁判長 質問の形をとってください。

○原告(須藤) 簡単に質問します。この公募提案方式で売却するときに、条件つき一般競争を知っていたといいますけれども、それでは、なぜやらなかったのですか。

○鈴木証人 それは先ほど申し上げましたように、ここでは公募提案方式がふさわしいと思ったわけです。

○大門裁判長 よろしいですか。

○原告(須藤) まだありますけれども時間が、もう時間なんですね。

○大門裁判長 もう時間を実は超えてはいるのですけれども、よろしいですか。

 再主尋問ございますか。

○補助参加人代理人(小林弁護士) 1点だけいいですか。補助参加人の代理人の小林から。

○大門裁判長 速記が交代します。

○補助参加人代理人(小林弁護士) 補助参加人代理人の小林から、1つだけ質問します。

 証人は、不動産価格の計算方法、評価方法について、専門的な知識はお持ちでないということでよろしいですか。

○鈴木証人 はい、そうです。

○補助参加人代理人(小林弁護士) 以上です。

○大門裁判長 よろしいですか。

○原告(須藤) まだ質問できるんですか。

○大門裁判長 いや、反対尋問と、ここにあらわれたことで、いまはあの点だけしか確認していませんから、よろしいですね。

○原告(須藤) はい、いいです。

○大門裁判長 では、ちょっと補充尋問します。

○矢口裁判官 矢口が伺います。

 地方公共団体におきまして、随意契約をすることができる場合は条件があるとは思うのですけれども、目黒区では、本件では、どういう条件に当たるかということについて検討されましたか。

○鈴木証人 はい、検討した結果、公募提案方式、随意契約を。

○矢口裁判官 重複になるかもしれませんが、その理由をもう一度簡単におっしゃってください。

○鈴木証人 単純に価格だけでなくて、近隣住民の意向を踏まえた環境を整備できるような公募提案方式をとったのでして、それらにつきましては、公募提案方式そのものが、この地域、公会堂であるとか庁舎跡地については、長年コミュニティとして培っていたものを売る場合には、やはり区の責任として、そういうものは重いだろう。その際には、やはり近隣住民の意向が十分反映できる契約の仕方が必要だろうと思っておりました。そういう意味で、単純に入札だけではなくて、近隣住民の環境であるとか意向が反映できる方式を採用したということです。

○大門裁判長 それでは、終わりました。ご苦労さまでした。

     〔鈴木証人、退席〕

 

○大門裁判長 それでは、時間も押しておりますので、引き続いて、お疲れのところをあれですが、お願いしたいと思います。それでは、どうぞ。

     〔須藤原告、証言台の前に立つ〕

○大門裁判長 先ほどからやっていただいていますのでよくわかっておりますが、お名前をおっしゃってください。

○原告(須藤) 須藤甚一郎です。

○大門裁判長 では、ただいまから原告のご本人ということでお尋ねいたします。その前に、嘘をいわないという趣旨の宣誓をしていただきます。ご本人の場合には、これに反しますと過料の制裁もあり得ますので、ご注意願いたいと思います。それでは、どうぞ。

○原告(須藤) 宣誓。良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います。須藤甚一郎。

○大門裁判長 おかけになってください。

 質問にお答えいただくのは、今度は答えられる立場ですから、先ほどの証人に対して申し上げたのと同じであります。

 手順でありますが、最初に裁判所の方から、あなたご自身を尋問する人がいませんので、こちらの方で矢口裁判官の方から尋問させていただきます。あらかじめいただいております尋問事項書に即してとは思いますが、拝見しますと、中に2、3、いわば意見をお聞きする部分があるものですから、そこは適宜こちらで取りまとめてお尋ねすることになります。くどいいようですが、あくまで事実関係ということになりますので、その点でよろしくお答えいただきたいと思います。

○矢口裁判官 それでは、私の方から、基本的にあなたが事前に提出された尋問事項書に従ってお聞きします。

 まず、甲37号証の陳述書ですが、これはあなたが作成したものですか。

○原告(須藤) はい、そうです。