ヒトミの飼育日記  2001年6月
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6月17日


足元にヒトミがいる。
何がおもしろいのか、
運動会のように、クルクルと走りまわる、
体長12cmのヒトミ。

台所で、食器を洗う音が聞こえる。
楽しそうな鼻歌、あれは誰の歌なのだろうか。
まったく、ひとみの鼻歌は、いつもいいかげんだ。
時折混じる笑い声。
もう一匹のヒトミが、
また、なにかやらかしているのだろう。

お気に入りの黄色いエプロンで手を拭きながら、
ダイニングに戻ってくるひとみ。
穏やかな笑顔。
ソファーに腰掛け、まだちっとも膨らんでいないおなかを擦る顔は、
もう、すっかり母親のものだ。

梅雨の晴れ間、
ベランダへ続く窓を、大きく開け放ち、
緩やかな空気の流れを感じながら、
大好きなワインをちびちびとやる。
チーチーと催促する声に負け、
小さな皿を二つ用意して、床においてやる。
おかわりはやらないぞ。


ゆっくりと目を閉じ・・・
そして開ける。

ひとみの笑顔、2匹のヒトミ。

愛しい日常が、
今、確かに、ここにある。



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