狂えゆらゆらと
狂え………
狂えるものなら
何度でも狂いたかった
狂ってさえいれば
何も気にせず
生きれるのに
でも狂えなかった
自分が孤独なのを
忘れたい
忘れたいのは
狂いたくないから
忘れられないのは
死ねないから
自分が卑屈なのを
忘れたい
この天ノ川の氾濫のおきた夜に
狂えれば
どんなに心やすらぐことか
でも狂う事ができない
狂えば
待っているのは悲しい生活
俺はこれからずっと
正常の冠り物を着て
生きてゆく
正常の狂いの中で
狂えゆらゆらと
狂え………