冬の堤防に立ち
秘密な波を見れば
時は静かな響きをたてて
泪を誘うように
消えてゆく
海は広大で心は魅了され
波は高く
孤独な自分を心から揺らしながら
独り小景異情の思いで
それを見ている
風は密やかに
恋物語を吹き鳴らし
いつしか哀愁の雪を呼ぶ
心から海を麗しく思い
海に心投げて
静かに落ちる雪と共に
景色に同化を求められる程
心は美しくなく
唯気持ちだけを深く
青いうねりの中で泳がせた
堤防に当たる
砕ける波は
柔らかく空を目指して
脆い硝子玉を飛ばしている
一心不乱に孤独を抱きながら
静かにゆったりと見つめていれば
尊き自然の一片にいつしか
汚れた魂を返す事ができるはず
そう思える程
冬の海は荒々しくて力強く
けれど静かで優しく
私と私の心に
目の前の同じ海が
広がりはじめる