言葉が失われてゆく
それでもまた言葉は生まれる
使い古されていったのは
言葉になれなかった言葉なのかもしれない
新たな言葉も耳に入れば
古くなり 死んでゆく
また この詩も
死んでゆく
何気なく死んでゆく
それでもまた言葉にすがり
それでもまだ言葉に頼り
言葉の弱い呪力のつながりを信じて
ただ言葉を吐き続ける
それはまるで工場の廃棄汚水が生まれ流され
捨てられる運命のように
そうして 周りに
浮浪者的な言葉が
溢れこぼれ消えてゆく
嘆くのか(現代人は)
いや 嘆かない
苦しむか(俺は)
いや 苦しまない
ただ 見過ごすだけ(全て流行病)
ただ それだけ
そう それだけ
なんて恐ろしい現代病