◎百鬼夜行

自慢の心は腐り果て   (人間など脆い脆い)
醜い体で延々と     (それが自慢だ)
魑魅魍魎の徘徊する   (ほら 美しい行列)
闇の中で踊り続けている (理性は闇の中)

悲しみは氷の泪と共に  (笛の音は高らかに)
河に流している     (太鼓の音頭は激しく低く)
踊りは極限に      (緩急極め)
ひしひしと悲哀を奏で  (悲しくもこれが百鬼夜行)

もう既に
人間としての感情は   (とうとう ついに)
生暖かい惰性の時間と共に(甘えも手抜きも嘘も虚栄も演技も)
宇宙的童心に      (確か甘さに身を占領され過ぎた時に)
還した         (それでいい……)

(それでいいとまた溜め息を吐く)
(また人間らしさが消えて逝く)

闇の中で
自責の念と共有したのは
何だったかを考える………
そうだ 物の怪に身を堕としながら
それでも愛を求めていたという事だった

(甘き故に身を滅ぼした) 人間の愛は掴めず
(嘘はついに心を隠した) 物の怪に愛され
(悲しみは残酷に笑顔し) 闇の中の
(優しさなど邪魔だ言う) 踊りは最終局面に
朝日と共に終焉を迎える
悲しくもこれが百鬼夜行

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