◎現実社会

ばらばらな冷静の最中
汗のように匂い立つのは
味気ない現実で

一歩 歩く事に
自ら重い鎖を体に巻き付けてニヤニヤしているのは
たぶん歪んだ夢や
置去りにされた幼さや
何も知らない事への純白な地図が
邪魔だからだろう

歯車と言うより錆付いた螺子
潤滑油は無駄な知識から
世渡り上手は紙の上のお遊戯
静かなお経のような歯軋りの 夜だけが
正常さや威厳を守る

目が覚めているのか
死んでいるのか解らないくらい
酒を呷っても
日本人らしく曖昧で嫌味で腰の低いお辞儀と
大衆が心から愛した大蒜臭いお世辞を使ってしまうのは
腐っているのか
踊っているのか
それとも汗水垂らして生きる
小便小僧になったつもりでいるからか

納豆の粘りにも似た競争社会
足の引っ張り合いは楽しい運動会
一等賞は劣等生の始まり
味気ない現実
歯車と言うより錆付いた螺子

汗の分だけ憎しみに
安堵の溜め息の分 心擦り減らし
目指すは八方美人の
大統領

笑い過ぎて精神は崩壊思想
文字を見すぎてど近眼

何時になったら戻れるのか
自分らしさが反社会運動なのなら
喜んで喜んで
人斬りにでも

笑いながら肥えゆく豚と粘り付く競争社会を毎日眺めながら
今日も苦虫を噛み潰した味の煙草を燻らして
悔恨の冷たい雨を浴びる

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