軋む
軋む(間違いなく私の骨の楽曲)
背骨 私の
私の背骨
嘘が軽めの錠剤と自己主張を始めた時に
そっと肩甲骨が割れた
安穏とした戦争反対の国に生まれて
少し緊張感も危機感も失われ
そっと重ねる愛情を
ただの商品と感じるようになり
白い小犬の無邪気な甘噛みを見詰めては
その鋭く尖った牙に冷や汗を覚え振り払う
何かを取り違い 何かを敵と認識し
暴れる胸骨に
世界の惰性を感じさせ
私は 天翔ける龍の咆哮の様に
骨を震わせ 心を震わせ
街灯が静かに華開く頃
そっと崩れた頭蓋骨に
(それは 私の骨だ)
一匹の小さな虫が止まる様子を
じっと見ている
軋む
軋む(間違いなく私の骨の楽曲)
背骨 私の
私の背骨