何も感じないのは
無作為に流れる零れる心の所為
雁字搦めの炎の炙りを受け
化石に留まる悪意だけが
そっと口付けをする
薔薇の海を渡りながら
棘しかこの身に当たらないのは
多分 美しいはずの薔薇の匂いを
忘れているから
忘却と言えればどんなに楽か
残酷に泪する欲情が今も傍らで笑う
(冷たい雨 冷たい雨)
狂った風を首に巻きながら
薄れ掛ける記憶と幻惑に満ちる
あの日の赤い洋酒を絶え間なく注ぐ
あの光り輝く太陽にかけようとしても
自分の顔が濡れる その落ちを
許せずに
嗚呼 乾いた泪の砂粒を
今 落とす
下賎な感情を抱きしめての模倣
潰れた未来を振り回しての葛藤
悪戯に悪戯に
癇癪を起こした過去に接吻
けれども
何も感じないのは
無作為に流れる零れる心の所為
ただの透明な私の人間宣言