言葉が欲しいから
わざわざ夕凪の映える海辺で
狂った嘘を抱く
感情が欲しいから
あえて獅子の眠る岩窟で
輪舞曲を弾き語る
詩人になりたくないから
ゆえに自己否定を
再現なく文字に転換
あわれ 全てが答えの見えない世界での
遊戯 雑技 虚偽 演技 別儀
そうやって煌きを探しながら
狂った子供を演じたり
言葉を固形物にする術が
あんなに願っているのに見つからないから
少し 火照る頬と愛憎を
赤裸々に白紙に塗りたくり
何の為の生か 何の為の死か考えてみる
そうやって足を止めてみる
言葉や感情や詩人なんて
意味のない記号の勝手な観念なんだ
だからそこに意味が欲しくなる
身勝手な人間の性 いや
私の性
揺らめけ 伝達する感情達
世界を守る壁の裏の裏の裏で
溶け込め 伝染する汚い情報達
私の中で眠る程遠い命の濁りの中心で