全ての人が
全ての物が
多くの人が
多くの物が
静かに寝言を合唱する宵
独り 歩きながら
耳から 目から 鼻から
零れ出す
水溶液状の思考を
両手一杯受け止めながら
やたら熱い冷汗を流し
重い足取りは
蟻達の躯を生成し
懺悔なんて間に合いはしない
そんな小さな罪悪さえも
捨ててしまって
今日も生きる
(やはり有耶無耶人生か)
明日も生きる
(いっそ蟻の躯に成ってみろ)
例え世界が崩壊しても
(綺麗事を酒の肴に笑え)
虚無を彷徨え
全ての人が
全ての物が
多くの人が
多くの物が
静かに寝言を合唱する宵
独り 歩きながら
無駄に足を引き摺っている