◎日本酒

今日も無駄に
時間を啜りながら
行き交う人々の群れを越えて
一人称を叫びつつ
見えない非常口を探した
何も無い昼休み

生きている

埴輪に似た
部族を尻目に尻目に
自分の正常さを
確固たる人生の教科書で
(学校と言う名の不特定要素が撒き散らした忌み児)
隅々まで眺めながら
投げ出した夕暮れ

それでも
生きている

何を見ても
何を聞いても
何を感じても
無糖の様な気がして
それならば
日本酒に敬礼したほうがましだと
その振りばかりしている
深夜

虚無に刈られても
生きている

さあ 朝だ
今日も一日 何も得ず
風に惑わされながら
生きましょう

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