◎詩を求める者の咆哮

私の抱える
弱々しい言葉達に
今こそ息吹を

私の汚れた思考の墓地から
生まれた哀れな弱々しい言葉達に
今こそ光を

光に向かう幸せよ
高みへと昇る至福の瞬間よ

ただひたすらに言葉を弄り
そう黙々と言葉を繋げ
気が付けば 少しは人の世に
生まれる事が許されそうな
造形を留めてはいるが
哀れかな 何処も彼処も綻びだらけ

そうして一つの限界を感じ
腐り始めた言葉を抱えながら
生み出す時間の網目を潜り抜け
暫くの間 冷たく暗い岩窟へ

独り
物言わぬ化石の様に
激しく極める炎の様に
静かに修練


生き続ける限り
言葉の魔力と魅力と剛力を
身に纏いながら
ただ言葉を生み出すならば
何とも情けなき所業

私は私が求めている心より生み出される言葉の高みを
求め求め求めるために新たな一歩を踏み出しながら
喜怒哀楽を経文の様に唱える哀れな詩人にはなりたくなくて
足掻きながら苦しみながら狂いながら
揺れ動く言葉の核を磨きたい

(これが嘘だとしたら私の全てが嘘でしょう)

だからこそ
私の抱える
弱々しい言葉達に
今こそ息吹を

私の汚れた思考の墓地から
生まれた哀れな弱々しい言葉達に
今こそ光を

光に向かう幸せと
高みへと昇る至福の瞬間を
味わう為に

今 岩窟の中で咆哮す

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