◎迷い人

切り刻まれた 未来に
痛くもない泪を 振り掛け
不感症になった 心に
最早 期待をしていないと
煙草の火を押し付けた

生きている方が奇跡で
死んでいる事が必然な毎日

目眩ばかりの今に
何かを求めるとするならば
それはきっと
奢りで傲慢

薄れている影さへ何も教えてはくれずに
盲人の様にゆらゆらと
重たげな腕を振り回す

求める質問はいつも同じで
何の為に生きているのか
何の為に歩いているのか
何の為に嘘を着るのか

星が照らした朧気な道標
減速せよと謳い
一時停止を推奨し
だけども停止は許されず
行き先は教えてくれない

こんな馬鹿な事があるものか

悪態を吐きながら
波打つ狡猾な未来に
五分前
疲れ果て 汚い身を投げた
鉄に覆われた大地へ

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