優しさが甘えを助長してしまうのなら
僕は喜んで切り捨てよう
悲しみが同情を引くための道具になってしまうのなら
僕は喜んで笑い飛ばそう
怒りが弱者を威圧するだけの武器なら
僕は喜んで破壊しよう
喜びがあるから苦しみが
思いやりがあるから怒りが
悲しみがあるから優しさが 生きるんだ
それは光りが闇を生み出すように
敵が味方になるように
愛が性玩具に成り下がるのなら
僕は謹んで蹴り倒そう
死が売買する対象になるのなら
僕は謹んで生にしがみつこう
何かが履き違え始めた時代(民衆に誠実であれと思いつつ 不誠実な時代)
何かが履き違え始めた自分(自分に厳しくあれと思いつつ 甘やかす自分)
頼りになるのは一握りの己の戒め
僕の詩が僕のための遊具に替わるのなら
僕は確実に筆を置こう
君を僕のための生活用具と感じてしまうようになったら
僕は確実に君のために別れよう
全てが
表裏一体の心がけ
慎重に 慎重に 紡ぎ出す
蜘蛛の糸よりも細い
僕の戒め