人造人間を見たんだ
そいつは楽しそうに体や心を刻んでいたんだ
幽霊を見たんだ
そいつは嬉しそうに過去にしがみついていたんだ
野良犬を見たんだ
そいつは怒りながらもお恵みを施されていたんだ
道化師を見たんだ
そいつは無我夢中に他人の顔色を伺っていたんだ
明るい殺し屋を見たんだ
そいつは罵詈雑言を親にぶつけていたんだ
爺顔の赤ん坊を見たんだ
そいつは知ったかぶりの快楽に酔っていたんだ
信教宗教の教祖を見たんだ
そいつは見返りを求めて人を救っていたんだ
だから
鏡に映った俺を見たんだ
そこには俺がいなかったんだ
そこには俺が写っていなかったんだ
だってさっき見てきた奴らが
きっと俺だと思うから