紅い雲の空を眺めて
蒼い海の波間に漂って
消え逝く記憶の曖昧さ
楽しい過去も 辛い過去も
墓場までは持っていけないと
砕ける流星に笑わられ
数々の痴話喧嘩の果てに
愛が見えたような
そんな思いを少しだけ感じ
若さを肯定しながら
しかし 肉体の衰えと
精神の擦り切れ
度重なる老いらくの思考に
今も尚 光る未来を
夢見てる
(感じる度に何かを忘れ)
(忘れる度に何かを感じ)
あわれ それが人の定義だと
右目を無くした舞子人形
高らかに嘲笑する
それが生への根源的決定項目ならば
逃げ隠れする熱い想いの子守り歌
気障な洋酒で清めてしまえ
自然にそう問い掛けながら
何もくれない
(空気や水や分子的愛は置いといて)
その擦れた現状に
夢うつつする
干乾びた魂
独善的に笑う 夜の帳の中で
懐疑的に涕く 朝靄の間にまに