◎裏切りの鏡の前に立ち

裏切りの鏡に映ったのは
昨日私を裏切った私でした

時間の進みに
自分の犯した罪を
軽く隠しながら
平然と笑って過ごす私

夕暮れの綺麗さに
自分の醜い心を
優しく縫い付けながら
憮然と笑って涕く私

涕いて 涕いて
笑って 笑って
いつも交互に 時に順不同で
心の平温を保ちつつ
(いやいや 唯の危ない綱渡り)
(平穏保つなんて綺麗事)
(ただの我が侭 故に身勝手)
鏡に映る私に罵倒
鏡に映る私に罵倒

綺麗なままで死にたいと
無理難題を吐露しつつ
したり顔で寝る昨夜
夢には汗だく傷だらけの私が
にやりと現れ静かに崩れてた

目が覚めても
偽物の継ぎ接ぎで作った
幸せと言う名の襤褸人形を抱きしめる事もなく
ただ あるがままに
また涕き始める

何も解らない振りしての 号泣
何もかも知った上での 罵詈雑言

裏切りの鏡に映ったのは
昨日私を裏切った私でした

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