◎琥珀酒忌憚

開け放たれた窓に
小さな小さな蒼い鳥
私は静かに見詰め
それを酒の肴にして
一息ついた

何を解らずに何に悩んでいるんだろう

春の風に少し近い秋の風
肌には少し痛みを残して
今日も同じ感情の繰り返し
溜め息が零れた

知る事など到底出来ないあやかしの希望

些細な事でさえ
身動きを取る事に
嫌気を覚えて
窓枠に収まる遠くの景色に
弱い信念の憂いを嵌め込んで
どんどん化石化していく感情に
必死に抗って涕いて

こんな事ならいっそ意識だけでも雲の流れに任せたい

愚痴じゃない
嫌気じゃない
ちょっと前が見えないだけ
ちょっと後ろが綺麗なだけ

最終的には
また何事もなく
歩み始める
琥珀の酒を口の中に零しながら

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