命の焔が燃え上がり
今日の世迷言は静かに広がり
闇雲に啜り涕く
稚拙な虚無
灯火が一つ
陽炎の様に移ろいゆく季節を
逆さまから眺め
少し陰鬱になったならば
どこかで響く蟋蟀の
哀愁引き摺る悲しみよ
灯火が一つ
命が一つ
彷徨う魂 延々と
悶え苦しむ悪寒の日々に
今日こそ極楽浄土を見ようと
我武者羅に歩き続ける
稚児に似た気質
灯火が一つ
あの夕日の中に忘れ形見
誰も知らない白い夢
呆けて頷く命の終焉
その時
僅かに揺らぐ何かの影
灯火が一つ
命が一つ