何を見て笑っても
心が乾き
何を見て怒っても
心が冷たく
雁字搦めの理念と
雁字搦めの想念と
雁字搦めの欲望の狭間で
まだまだ
奮起する突起すら
見えなくて
握り潰した優しい日常
削り出した汚い本能
壊れ出した小生の思考
(抱え込んだ刀はますます錆びて)
切る物は全て上澄みの様な人間関係
突く物は全て白濁した社交辞令
小生が小生である為に
砕きたいのは醜い羅刹の権化
(それが小生と言う弱虫な本性の
小さな叫びの様な戯言)
削ぎ落とす
削ぎ落とす
削ぎ落とす
削ぎ落とす
何を見て涕いたって
心が石で
何を見て楽しんだって
心が空気で
脇に差した刀は
今日も
凛々と涕く
お前が我を握れない決意
その決意がただの臆病の証明で
逃避的快楽の延長線上にある
ただのお遊びと
鞘鳴りを起こしながら