◎空き缶

捨て去った夢が
金属の響きを立てて
地面で踊る時

錆び付き始めた
魂の悲しみの調べは
凝固して行く感覚に震え
零れ始める快楽が
魂の愛を黒く染め始め
静かに鉄筋に融合して行く

(大地は何時だって鉄だった)
(空は何時だって化石だった)

揺ぎ無い過去形の中で
手を触れないで見てるだけの未来形に
恐れ戦いて震えるだけの
人類

人類 そうそれが
全ての動植物の頂点に立ったと
勘違いし始めた時に
黒い樹脂で作った袋の中で
正義と倫理と想像と夢想が艶やかに
濁り始めた

何も考えないで嘆いている
憐れな人形と化した己の想念
何時しかそれは陳腐になり
完膚なきまで崩される道徳となり
道端で燃える金貨と鉛で作った愛情が
全ての根源であるかと言う風に
我が物顔で地面を闊歩する時

投げ捨てた夢が
煤け始めた
(お前が何をしたかなんてどうでもいい)
凍え始めた夢が
崩れ始めた
(お前が正義か悪かなんてどうでもいい)

だた
さっき投げ捨てた空き缶が
(お前の空き缶 お前の影 お前の有耶無耶)
お前の未来を如実に
炙り出した

自分の首を絞めて喜んでいるお前の歪んだ笑顔を
自分の心臓を掴んで泣いているお前の真実の顔を

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