◎詩を詠う者の性

雲の動きに心を奪われては
泪を容赦なく零し
風が頬を撫でる感覚を知っては
心の揺らぎに目を向ける

心が静かなら それを詠い
心が荒れたら それもまた詠い

己で広げた心の限界
知ろうと足掻けばまた広がり
自然現象すら
心の波に重ね合わせ

この諸行 いったい何処に続いて行くのか
(己すら解らない夢幻廻廊)
この悪行 いったい何処へ続いているのか
(誰も解り得ない空中楼閣)

暗転する気持ちの変化に
未だ見ぬ性格を
助長する言葉の波に襲わせては
納得の行く答えを求め
宇宙よりも深い
魂の樹海を彷徨い歩く

描き出した言葉の桃源郷 (唸る思考は天空を飛び)
見付からないなら放浪癖 (滴る熱情は大地を焦がし)
探し疲れたなら大絶叫  (見つけた新語は新たな命の灯火)
誰にも聞かれぬ阿鼻叫喚 (肉体快楽を越えて瞳孔は開き)
願って曰くは心の心拍音 (心血を注ぐは無形遺産の先の先)
求めて探して崩れ果て  (昼行灯さえも糧となり)
それでも止められない  (叫び出した魂の雷鳴)
言葉と精神と魂の融合快楽(心からそこに生きるを欲する)

虹を見ては心弾け
嵐を見ては恐怖の興奮
人を見ては奥深さを朗々とざわめき
炎を見ては魂の乱舞を見せたがる

詩を詠う者 (詩が言葉の眷族達よ)
詩を詠う者 (詩が思考の同志達よ)

今日も曇る空に
反旗を翻し脳内の静狂に
耳を傾ける

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