◎煙草と階段

何処まで昇ったら
見晴らしの良い生き方が
できるだろう
何処まで下ったら
汚れた心を愛する事が
できるだろう

そう思いながら
非常口の扉に寄りかかり
拙い煙草を吹かしてる

煙の様に何処までも自由に
飛べる姿を羨みながら

そうやって
何かから追われ
何かから逃げて
妥協ばかりの時間を
惰眠で貪り

煌びやかな階段を眺め
足を一歩も
出せずにいる

何処まで昇ったら
胸を張れる人生だと言い切る事が
できるだろう
何処まで下ったら
汚い心を隅々まで見詰める事が
できるだろう

煙草の煙に
笑われながら
今日も階段を眺めては
非常口の前で愚痴ばかりが
天井を汚す

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