◎曖昧な何かの果てに

夢が唸りを立てて
泣き喚くから
夜が輝くの

言ったでしょう?
絡まり出した歯車は
人の性癖さえも砕くの

何かを縛りながら夜の中で
凍えてしまうくらいなら
いっそ現実的な曖昧でも混ぜて
春の愛想を想像して

(決定しない夢と未決定な愛を
 眺めるだけ眺めて捨てるの)

(どうしてもっと感じようとしないで
 決め付けてしまうの)

(夜霧と朝霧に包まれないのに
 諦めの良い子の役は捨てて)

光が闇と溶けつつ
躍起になるから
朝が曇るの

伝えたでしょう?
真実も虚構も決定も仮定も
所詮は人が創り出した
言語の副産物だって

ねぇ
夜が輝くの
朝が曇るの
ただそれだけなの

だから…
曖昧な何かの果てに
潔白な全てを
教えてよ

この詩に感想を書く          一つ上に戻る