◎夜に珈琲

暗闇で空
余りにも綺麗だから

星が静かに
瞬いて

月がやたらと
逃避行

こんな夜は
熱い珈琲がすごく
溶けて心を包むから
風のそよぎが
砂糖代わりで

輝く星に
ただただ祈る
この時をどうか
見失わせないでと

暗闇で空
余りにも心が和らぐから

星が静かに
下りて来て
月が恐る恐る
近寄って
耳打ちするの

冷めない内に召し上がれ
覚めない内に召し上がれ
今一瞬の風景は
すぐに流れるから


暗闇で空
余りにも切ないから
星と月を
抱き締めた

熱い珈琲
今日も苦くて

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