◎冬

冬爛漫の
時の砂

手に乗せて見ゆる
冬の暖かさは
夏の夜に
格別に心残りを
味わわせる

夏の雷も
夏の雨も
冬の雪に勝てぬのは
冬の暖かさのため

我の心
和ませるのは
雪の暖かさなり

万年の氷に閉ざされた
一人孤独な心は
いつの日か
本当の四季を
夢見ている

そっとそっと
ただただ
氷の心 内に秘め
優しさの届かぬ
光の届かぬ
暗き悲しい闇の底で
待っている

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