幺微に香気は流れ
祈る事を忘れた私は
心の中に眠る
ちっぽけな過去と
情けない生き方を
曝け出す事に怯え
静かなる時の中で
人の騒めきを思い出し
心を沈着かせている
自分を見ている
私の生き様
笑い話なんかに使えないし
同情する為の小道具にできる程
価値なんてないから
ちっぽけで
只 今は
夜空の星達と
静かに語り合いたい
幺微に香気は流れ
時代は幺微に波動え
私は心を言葉にし
時は私を新たな私に変え
幺微に
私の生の香気は流るる
※読み
幺微に = かすかに = 微かに
香気は = におい = 匂い
騒めき = ざわめき
沈着かせ = おちつかせ = 落ち着かせ
波動え = ふるえ = 震え